HOME > 脱原発と結び福島原発事故被災者支援 > 2015/01/26第11回政府交渉案内

甲状腺医療費無料化署名第2次提出と被災者・被ばく労働者の課題で政府交渉(2015/1/26)

     質問書
会場:参議院議員会館 B107
  10:15〜    ロビーにて通行証配布
  10:30〜12:00 原子力規制委員会、厚労省との交渉(緊急被ばく限度引上げ問題他)
  12:30〜12:55 院内集会(参加者からの意見表明、交渉打ち合わせ)
  13:00〜15:30 環境省、復興庁との交渉(冒頭に署名提出)
  15:40〜16:30 院内集会U部(交渉のまとめと今後について参加者の意見交換)
交渉課題
@要請書賛同を背景に甲状腺医療費無料化
福島県「県民健康調査」の甲状腺検査の結果、「ガンまたは疑い」と診断されて手術を受けたり、また経過観察が必要と診断され、通常保険診療に移行する子どもたちが多数出ています。そのうち19歳以上になった人は福島県の18歳以下医療費支援(「子育て支援」)の対象外となり甲状腺にかかわる医療費は自己負担となっています。今後その数は増えていきます。
昨年6月10日、私たち8団体は70団体と個人2282名の賛同を添えて、国の責任による上記甲状腺医療費の無料化を求める要請書を提出しました。環境省は「自己負担の事実」を認めましたが、要請書については「持ち帰り共有するが、検討するとまでは約束できない」との回答に終始しました。
その後、昨年6月10日に提出した要請書に対して全国各地で賛同署名が広がっており、1月26日に少なくとも5万筆以上を追加提出します。
昨年8月に環境省の「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」(以下「環境省専門家会議」と略す)のヒアリングに招かれた福島県の県民健康管理検討委員会の星座長は、甲状腺検査で癌が見つかった人の医療費の問題に触れ、「それが放射線の影響かどうかということはちょっとおきまして、今福島県内は小児18歳未満の医療費が県の財政措置ですかね、で無料化されています。一方ではこの癌検診、甲状腺の検診で癌が見つかって保険診療に移るという方がこれからどんどん18歳を超えてくるというときに、費用の問題を含めてどう考えるのかということがひとつ大きな問題だと思います。」と述べ、19歳以上の甲状腺医療費の自己負担問題を提起しています。
昨年9月に福島県から「甲状腺検査の結果生じた経済的負担の解消に関する緊急要望」が環境省に提出され、事故がなければ受けることのなかった甲状腺検査による医療費の負担を原子力政策を推進してきた国の責務として解消することを求めています。
昨年12月に出た環境省専門家会議の「中間とりまとめ」および環境省の「当面の施策の方向性」(案)では「(小児)甲状腺がんのリスクが増加する可能性が理論的にはあり得る」と指摘されています。署名を背景に交渉を進めます。福島でこの問題で被災者を支援してこられた方から、院内集会と交渉の中で発言していただきます。
A環境省専門家会議の「中間とりまとめ」の問題点、子ども被災者支援法の更なる「骨抜き」批判と被災者支援の具体的な施策要求
環境省の専門家会議は「子ども被災者支援法第13条の近隣県を含めた健康診断や医療費減免」についての助言を目的として設けられました。
しかし、「中間とりまとめ」は国連科学委員会(UNSCEAR)の2013年報告書を基礎とし、具体的な支援策についは全く不十分な内容です。
「環境省における当面の施策の方向性(案)」には、現行の「福島県の県民健康調査の『甲状腺検査』の充実」以外は必要な支援が切り捨てられています。
近隣県を含めた被災者の健康診断や医療費減免をうたった、「子ども被災者支援法」13条が「骨抜き」されようとしています。
大きな問題点は、統計的に有意に被害の増加が検出されるかどうかが施策の必要性の判断基準とされ、その結果、現行の「福島県の県民健康調査の『甲状腺検査』の充実」以外は、近隣県を含めた被災者の健康診断などの健康管理や医療費減免等、国が行うべき具体的支援が切り捨てられていることです。
国の責任による福島の被災者健康調査・医療保障、周辺県汚染地域住民の健康調査、福島原発事故被災者への健康手帳交付と医療・生活保障の法整備を求めます。
B緊急時被ばく限度の引き上げに反対し、再稼働反対、脱原発を求める
昨年7月30日の原子力規制委員会で、田中委員長が、緊急時被ばく作業従事者の被ばくが現行法の限度100ミリシーベルトを超えるような重大事故が否定できないとして、緊急時作業従事者の被ばく限度の引上げ検討を提案しました。
12月10日の原子力規制委員会では緊急作業の被ばく制限値を250ミリシーベルトに引き上げる方向で検討すること、緊急時被ばくと通常被ばくを分けて扱うことなどが「実質合意」されています。
緊急時被ばくで250ミリ、通常被ばくを含め1年間で300ミリシーベルト、2年間で350ミリシーベルトの被ばくが合法化されようとしています。
今回の「緊急時被ばく限度の検討」は、原発を維持・再稼働すれば重大事故が避けられないので、労働者を犠牲にし事故対応ができるようにしようとするもので、労働者にとどまらず住民の安全と健康をも危険にさらします。
原発を推進し福島原発重大事故を招いた日本政府は明確に脱原発に転換すべきです。
C被ばく労働者がおかれている違法な状況について
福島第一原発の緊急作業や福島県各地の除染労働に従事した元被ばく労働者から、健康診断の費用が自己負担とされている、事業者が雇用保険に加入していない、業務上事故の損害賠償(示談)費用を給料から天引きされた、危険手当が全額支給されないなど、様々な問題が訴えられています。


呼びかけ:脱原発福島県民会議、双葉地方原発反対同盟、原水爆禁止日本国民会議、原子力資料情報室、全国被爆二世団体連絡協議会、反原子力茨城共同行動、原発はごめんだ!ヒロシマ市民の会、ヒバク反対キャンペーン
紹介議員:福島瑞穂参議院議員

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