政府は緊急作業従事者を線量によって区分けし、線量に応じた長期健康管理を行うとしています。
それによると、長期健康管理のための「手帳」交付は被ばく線量が50ミリシーベルトを超えた900人に限定されます。
緊急作業従事者の大部分(約1万8000人)は、在職中の「目の検査」、「がん検診」、「甲状腺検査」の対象外とされ、離職後は健康診断の対象外に置かれます。
推定される「がん」の被害の約90%が制度的に切り捨てられる。
放射線に被曝すると「がん」や様々な疾病が増加します。
緊急作業従事者の被曝状況から、「がん」の場合は、もたらされる被害の約90%が被曝量100mSv以下の作業従事者に生じると推定されます。
しかし、「がん検診」は100mSv超の作業者にしか実施されません。
このままでは被害のほとんどが制度的に切り捨てられてしまいます。
緊急作業従事者は「原発推進のツケ」を負わせられたのです。国の責任で、生涯にわたる健康管理と1人も洩らさない被害の補償を行うべきです。
しかし政府の「線量に応じた長期健康管理」では被害のほとんどが切り捨てられるのです。
私たちは政府に「全ての緊急作業従事者に『手帳』を交付し、健康管理を行うこと」を求めます。
検討会を開き現行の長期な健康管理を再検討せよ
厚労省に「手帳」交付を50mSv超に限定する理由を質すと、「年限度基準の50mSvを超えているから。検討会で出た結論であるから。」と繰り返すのみです。
2012年2月に放射線影響研究所が発表した「原爆被爆者の追跡調査第14報」では、全固形がん死亡についてはこれ以下なら放射線の影響がないという『しきい値』はないとの結果が得られています。
「緊急作業従事者の長期健康管理の検討会」は2011年夏に行われ、第14報は検討に含まれていません。
2013年1月22日の厚労省交渉で、このことを指摘し「全ての緊急作業従事者に『手帳』を交付し、健康管理を行え。」と迫りました。
しかし厚労省は『新たな知見』に触れず、またもや従来の回答を繰りかえしました。
私たちは引き続き「検討会を開き現行の長期健康管理を再検討すること」を求めていきます。
政府の健康管理・・・ 「東京電力福島第一原子力発電所における緊急作業従事者等の健康の保持増進のための指針」 ①全員に「データベース登録証」が送付される。 ◆国の支援窓口で被曝線量や健康診断結果の写し請求する際「データベース登録証」の提示が必要。 ◆支援窓口で健康相談や保健指導を受けることができる。 ②50mSvを超える約900人に「特定緊急作業従事者等被ばく線量等記録手帳」が交付される。 ◆50mSvを超える約900人に対する1年に1回、白内障の検査。 ◆100mSvを超える者167人に対し、①に加え、年1回のがん健診(胃、肺、大腸)と甲状腺検査の実施。 ◆離職後も健康診断や①、②の検査が受けられる。 ③国が行う必要な援助等 ◆緊急作業従事者等に対する、がん検診等の受診勧奨。 ◆支援窓口での、緊急作業従事者等に対する健康相談や保健指導。 ◆緊急作業従事者等に対する、検査の費用の全部または一部の援助。 注)「手帳」は労安法66条に基づくもので、労安法67条の「健康管理手帳」と異なり、在職中から有効です。被ばく線量や健康診断の結果が記録されます。 |