政府の事故収束宣言と緊急時被曝限度250ミリシーベルトの特例省令廃止

12月16日、政府は「収束宣言」を行いました。
しかし、炉心の状態は把握されていない状況です。原子炉は安定な状態にはなく、「収束宣言」は現実を無視したものです。

* 「終息宣言」に伴って「特にやむをえない緊急作業」の指定が解除されました。
緊急時被曝限度を250ミリシーベルトに引き上げていた特例省令は、一部の経過措置対象者を除き、廃止されました。
既に、11月1日から新規に従事する作業者に対しては、「緊急時被曝限度」が100ミリシーベルトに引き下げられていました。
今回の特例省令廃止は、2012年11月1日よりも前から緊急作業に従事していた作業者にも適用されます。

* 緊急作業従事者数と総被ばく線量の推移
福島原発には、2012年12月現在、毎月約6000人が福島事故被曝労働に従事しています。
事故発生からの従事者は2012年12月末で累計19528人に達しています。
労働者の増加によって「平均被ばく線量」は11.55mSvと下がってきていますが、総被ばく線量は増加の一途をたどり、2012年12月末で累計232.4人・シーベルトに達しています。
(参考)事故発生直後の2011年3月は、従事者数3742名、平均被ばく線量22.56mSv、総被ばく線量84.4人・シーベルト。

表 緊急作業従事者の被曝線量分布
2012年2月29日東電プレスリリースの添付資料表2から作成した。
総線量(人・シーベルト)は人数と平均線量から求めた。
区分(mSv) 2011年3月~12月末
東電社員 協力企業
250超え 6 0 6
200超え~250以下 1 2 3
150超え~200以下 22 2 24
100超え~150以下 117 17 134
50超え~100以下 401 339 740
20超え~50以下 646 1957 2603
10超え~20以下 497 2578 3075
10以下 1613 11330 12943
3303 16225 19528
最大(mSv) 678.80 238.42 678.80
平均(mSv) 24.71 9.29 11.90

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9月22日質問・要請書に対する回答
緊急作業従事者等の健康の保持増進のための指針
緊急作業者の長期健康管理検討会報告書
250mSv限度の電離則特例政令(2011/3/15)