イチエフ労働者以外で、新たに2名の労災認定
・2022年4月20日の衆議院厚生労働委員会で、福島原発事故以降、イチエフ労働者以外の労災認定が5名であることが示された。
議事録抜粋 ○吉永政府参考人 お答え申し上げます。 東京電力福島第一原発の事故後の平成二十三年度以降、当原発で作業した方で、電離性放射線による疾病で労災認定をされた方は八件となってございます。 この八件の内訳につきましては、白血病が三件、甲状腺がんが二件、肺がんが一件、咽頭がんが二件となってございます。 また、一方、東京電力福島第一原発事故後の平成二十三年度以降、東京電力福島第一原発以外の原発労働者で電離性放射線による疾病で労災認定された方は五件となってございます。 |
原発労働者の放射線被ばく労災認定は23件に
福島事故前に認定されたケース
10件:白血病6件、多発性骨髄腫2件、悪性リンパ腫2件
福島事故後に認定されたケース
8件:事故後のイチエフ被ばく労働者 白血病3件、甲状腺がん2件、肺がん1件、咽頭がん2件
5件:それ以外の原発被ばく労働者 悪性リンパ腫3件 疾病不明2件
この他に、東海村JCO臨界事故で3名の急性障害が労災認定されている(うち2名は死亡)。
高まる原発被ばく労働者の労災認定
・東電福島原発事故前40年間10名に比べ、事故後11年間の労災認定12名と認定の頻度が高まっている。
・要因として、広島・長崎の被爆者に表れた様に、被害の顕在化時期を迎えている事があげられる。
日本で原発被ばく労働が始まって51年が経過している。
・他の理由として、原発被ばくで労災認定されることが被ばく労働者の間に広まったと考えられる。
原発被ばく労働者の労災認定のハードルは極めて高い
・原爆被爆者の場合は3.5km以内(1mSv以上)でがん・白血病は原爆症として積極認定される。
・一方、原発被ばく労働者の労災認定では固形がんに関しては100mSv以上が要件とされている。
・2019年8月末までに、イチエフ労働者28名が被ばくによる疾病として労災申請した。
・結果は、労災認定8件、不認定9件、調査中9件、取り下げ2件となっている。
・労災認定は、白血病3件、甲状腺がん2件、肺がん1件、咽頭がん2件である。
・不認定には、少なくとも、膀胱がん、喉頭がん、肺がん、肝がん、膵がんが含まれる。
この他に、前立腺がんの労災申請があったが認定・不認定は不明。