イチエフ収束作業等従事者の労災認定(咽頭がん2人 2021/9/6)

・東京電力福島第一原発事故の緊急作業等に従事し、咽頭がんになった男性2人について、2021年8月30日に開催された厚生労働省の「電離放射線障害の業務上外に関する検討会」で業務上と判断され、富岡労働基準監督署(福島県)が2021年9月6日労災認定した。
・一人は東電社員で、1977年4月~2015年5月のうち約35年間、放射線業務に従事した(事故後は構内での作業に従事)。累計の被曝線量199ミリシーベルトのうち85ミリシーベルトが事故後の作業による。
 東電福島第一原発では、原子炉の運転・監視業務に従事し、事故後は、第一原発構内における、がれきの撤去、原子炉への注水のためのホースの敷設業務等に従事した。18年12月にがんを発症した。発症時60歳台であった
・もう一人は協力会社の放射線技師。96~19年のうち15年間、放射線業務に就いた。累計の被曝線量386ミリシーベルトのうち事故対応によるものは44ミリシーベルト。19年1月に発症し40歳台であったが、その後既に亡くなている。
 医療機関において放射線技師としてX線撮影業務に従事し、その後、全国の原子力発電所において作業員の被ばく線量管理等の業務に従事し、東電福島第一原発事故後は、第一原発構内における放射線量測定業務等に従事した。
・東京電力福島第一原発事故の収束作業等に従事した労働者の労災認定は白血病3件、甲状腺がん2件、肺がん1件、咽頭がん2件の計8件となった。
・事故後の福島原発で作業に従事した労働者の被ばく労災申請はこれまでに28件あり、認定8件、不認定11件で、残り9件は厚労省が調査中である。
・厚生労働省は、緊急作業従事者への労災補償制度の周知について、「緊急作業従事者(約2万人)に対し、平成24年度から電離放射線被ばくによる疾病等の労災補償に関するリーフレットを7回、直接送付している。」としている。

原発被ばく労働者の労災認定は併せて22件となった

福島事故前に認定されたケース 10件
 白血病6件、多発性骨髄腫2件、悪性リンパ腫2件
福島事故後に認定されたケース 12件
 白血病3件、悪性リンパ腫4件、甲状腺がん2件、肺がん1件、咽頭がん2件

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