イチエフ緊急作業従事者の甲状腺がん労災認定2例目(2018/12/10)
・東京電力福島第一原発事故の緊急作業等に従事し、甲状腺がんになった50代の男性について、2018年12月5日に開催された厚生労働省の「電離放射線障害の業務上外に関する検討会」で業務上と判断され、2018年12月10日に日立労働基準監督署が労災認定した。
・男性は協力会社に勤め、1993年11月~2011年3月のうち約11年間、福島第一原発等において電気設備の保全業務に従事し、東電福島第一原発事故後は、東電福島第一原発構内における電気設備関連工事の施工管理業務等に従事した。
累積被ばく線量は約108ミリシーベルトで、約100ミリシーベルトが緊急作業の被ばくだった。
・東京電力は37ミリシーベルトが内部被ばくとしている。東京電力は甲状腺被ばくを全身被ばくに換算する係数を1/20としていることから、この男性の甲状腺被ばくは740ミリシーベルトであったと推定される。
・東京電力福島第一原発事故の収束作業等に従事した労働者の労災認定は白血病3件、甲状腺がん2件、肺がん1件の計6件となった。
・事故後の福島原発で作業に従事した労働者の被ばく労災申請はこれまでに16件あり、認定6件、不認定5件で、残りは厚労省が調査中である。
原発被ばく労働者の労災認定は併せて20件となった
福島事故前に認定されたケース
10件:白血病6件、多発性骨髄腫2件、悪性リンパ腫2件
福島事故後に認定されたケース
6件:事故後の福島原発作業従事者 白血病3件、甲状腺がん2件、肺がん1件
4件:それ以外の原発被ばく労働者 悪性リンパ腫4件