イチエフ原子炉建屋内の高線量下の被ばく労働

●原子炉建屋内の被ばく労働は1日1ミリシーベルト超の計画線量
建屋内は高線量率で、被ばく労働は、1日1ミリを超える、高い計画線量が設定されている。
      資料 ⇒ 1F建屋内の高線量被ばく労働リスト

●3.11後早くも5月に原子炉建屋内の作業が強行された。
排気ダクト設置、線量調査、写真撮影、水位調査、調査のための穿孔、除染、、1~3号機の循環型冷却システムの設置などが行われた。 空気ボンベを背負って、10分間、14分間に限定された線量調査、実被ばく線量が10mSvを超える現場確認、床を紙で拭き取りながら進んでいった現場調査、台風接近に備えた高線量下での屋根の穴ふさぎ作業などが強行された。
これらの作業は1件の従事者10人以下の規模で行われ、少なくとも20人規模の労働者が計画線量を超える被ばくを被ったと推定される。
放射能汚染微粒子の飛散を防止する1~3号機建屋カバーの設置作業が行われている。

●2012年以降、1件1日50人規模の作業者が従事する状況になった。
計画線量15mSv(1件、4分間で最高8mSv被ばく)、同10mSv(8件、最高5.29mSv被ばく)、同9mSv(1件、最高6.49mSv被ばく)、同8mSv(1件、最高5.32mSv被ばく)等の作業が強行されている。
中には作業時間をわずか4分間に限定した作業も含まれている。
4号機では、燃料貯蔵プールの使用済み燃料取り出しに向けた準備作業と取り出し作業などが行われた。
また、1~3号機のデブリ調査に向けて、線量調査、除染、ロボット投入穴あけ作業などの準備作業、ロボット調査などが行われた。

●2015年以降、1~3号機のデブリ調査のための本格的な作業が行われた。
2016~2017年にかけて線量調査、除染、ロボット投入準備、原子炉格納容器内のロボット調査、などが行われている。

表1 21012年以降の、計画線量が5mSv以上の事例(RBは原子炉建屋、PCVは原子炉格納容器)
作業日 作業内容 線量(mSv) 作業員数
計画 実最大
2012.03.14 2,3 トーラス室事前調査(線量測定) 10 2.87 東電6
2012.03.15,
16, 21, 22
2 RB代替温度計設置の事前調査 7 3.47 不明
2012.03.26 2 PCV内部調査(滞留水の水位、雰囲気温度) 10 5.29 34
2012.03.27 2 PCV内部調査(雰囲気線量調査) 10 1.69 35
2012.04.19 3 PCV機器ハッチの漏水確認(撮影)  作業4分間 15 8.01 東電2
2012.06.07 2,3 トーラス室水位調査、採水 9 6.49 不明
2012.07.11 3 トーラス室内撮影・線量調査(ロボット運搬、扉開閉) 8 5.32 東電6
2012.08.08 1 RB5階オペフロの状況把握 5 1.54 東電5、協力14
2012.10.09 1 首振りカメラによるPCV内部撮影(1階グレーチング上部) 10 2.74 53
2012.10.10 1 PCV内部滞留水の水位・雰囲気線量の測定 10 2.13 51
2012.10.11 1 CCDカメラによるPCV内部撮影(1階グレーチング下部) 10 1.83 49
2012.10.12 1 PCV内部滞留水の採取 10 1.72 48
2012.10.13 1 PCV内部常設監視計設置(雰囲気温度,滞留水温度・水位) 10 2.33 50
2012.10.24 1 燃料プール関連バルーン調査(ガレキ、クレーン、燃料取換機) 5 3.81 東電4、協力25
2013.04.09 1 RB1階パーソナルエアロック室調査(線量率、目視、温湿度) 7 0.72 現場4
2013.04.16 2 RB1階MSIV室調査(線量率、目視、温湿度、ダスト濃度) 7 0.55 現場11、免震7

詳細が分かっている事例
●2015年4月10日に実施された1号機PCV内部の反時計回り調査
(4月13日の東京電力記者会見録画から)
協力企業36名 東電社員8名 計44名
  時間帯 9:25~17:30 そのあと、かたづけ等で18:30まで
7班で実施
投入・回収班 5班 23名       調査班 2班 13名
計画では、投入・回収班:30分交代  調査班:3時間交代
調査は少し離れた位置でコントロール・映像確認
計画線量 2.5mSv
実績線量 最大1.73mSv 協力企業従業員(ロボット投入・回収班)1名
東電社員は投入現場にも行っているが、協力企業従業員とは時間の違いはあると思う。

●2016年12月~17年2月に実施された2号機PCV内部調査(準備からロボット調査まで)・・・こちらをご覧ください

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