原発被ばく労働者の健康被害

健康被害の推定 がん・白血病死亡だけでも約420人
・2005年に公表された国際がん研究所の報告(15カ国の原子力発電所等放射線作業者における外部放射線被ばくによる健康影響についての疫学解析結果)によれば、20ミリシーベルト以上の被ばくグループは有意に全がんの死亡率が高まっています。被ばく労働者は被ばく線量限度以下でも被害を被っているのです。
・国際的に認められている原則的な理解では、より低い被ばく線量であっても被害は線量に比例して生じます。
・原発被ばく労働者の集団線量は1970~2021年度の51年間で、4172人・Svとなっています。
 (事故後のイチエフで累計740人・Sv、その他の累計3432人・Sv)
 参照:原発被ばく労働者の累積被ばく線量
・広島・長崎の原爆被爆者の疫学調査から10人・Svにつき1人のがん・白血病死が引き起こされます。
・これらのことから、原発被ばく労働者に生じる被害はがん・白血病死亡だけでも約420人にのぼると推定されます。10人・Svあたり3.7人のがん死とする1990年のゴフマンの評価によれば1500人規模となります。
・放射線被ばくにより、がん・白血病以外の健康被害も生じます。

労災申請・認定は、まだ氷山の一角
原発労働者の被ばく労災申請は2011年までに30件です。
白血病10、悪性リンパ腫8、多発性骨髄腫2、皮膚炎1、再生不良貧血1、肺がん1、心筋梗塞1、結腸がん1、胃がん1、食道がん1、JCO臨界事故の放射線急性障害3
(白血病と悪性リンパ腫はそれぞれ不認定となった詳細不明の1件を含んでいます。)
そのうち労災認定は15件です(白血病6件、悪背うリンパ腫4件、多発性骨髄腫2件、JCO臨界事故の放射線急性障害3件)。
白血病
申請年 1988 1992 1992 1993 1997? 1998 1999 2006 2006 2009  ?
結果 認定 × 認定 認定 × 認定 認定 × × 認定 ×
被曝線量
(mSv)
40 72.1 50.63 129.8 74.9 5.2

悪性リンパ腫多発性骨髄腫
申請年 1982
(決定)
2005 2008 2008 2008 2009 2010年度 2011 2008 2009
結果 × 認定 認定 × × × 認定 認定 認定 認定
被曝線量
(mSv)
99.76 78.9 <25 <25 70 65

「原子力発電施設等放射線業務従事者に係わる疫学調査」によると、1986年~2010年12月末の白血病類縁疾患による死亡は白血病207名、悪性リンパ腫176名、多発性骨髄腫60名と報告されています。
死因 累積被曝線量群(mSv) 合計 労災(生存者を含む)
<5 5- 10- 20- 50- 100+ 申請 うち認定(カッコ内は被ばく線量)
白血病 129 25 15 25 8 5 207 11 6(40、72.1、50.63、129.8、74.9、5.2)
悪性リンパ腫 114 11 15 19 8 9 176 8 4(99.7、78.9、?、?)
多発性骨髄腫 38 7 5 4 3 3 60 2 2(70、65)

この資料は、中央登録センターに1999年3月未までに登録された者(累計約,34万3千人)のうち、日本国籍を有しない者および放射線業務に従事しなかった者を除外した277128人のうち、生死情報が得られたなど統計に必要な条件を満たす男性204103人から得られたものです。
①実被曝労働者から生死情報のない労働者が抜けています。
②潜伏期間調整により従事開始から白血病で2年内、その他で10年内の死亡例が除かれていると思われます。
これらも考え合わせると、これまでの30件の労災申請、15件の労災認定(うち3件はJCO臨界事故の放射線急性障害)は、まだ、氷山の一角であることがわかります。

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