2号機原子炉格納容器(PCV)内部のロボット調査

●2016年12月12日~24日にわたって行われた2号機X-6ペネの穴あけ作業
2号機原子炉格納容器の内部をロボットで調査するため、X-6ペネと呼ばれる格納容器の貫通部ハッチに穴をあける必要がある。
現場の空間線量は20mSv/h以下が目標とされ、除染で達成せずに、重量約1.6トンの遮へい体の中で作業する方法がとられた。
2016年12月12日~24日にわたってステップ1~ステップ3の一連の作業が行われた。
 (ステップ1)穴あけ装置、遮へい体、隔離機構の3ブロックをX-6ペネ入口に搬入する。
 (ステップ2)3つのブロックを連結し、ハッチに密着状態に設置する。
 (ステップ3)ブロックを貫通するシャフトを回転させてハッチの穴あけを行う。
実際には、気密性の確保やダスト舞い上がりの抑制等のために、ハッチ表面清掃、ハッチとブロックを密着させるクランプのさび落とし、弁交換等の作業が含まれた。
クルーは事前に訓練を積んだ人で構成され、放射線管理員や遠隔操作をする操作員なども含まれる。
1日の作業に31人から36人が従事し、9日間の延べ人数は299人であった。

現場作業は朝5時10分から8時30分までの間に行われた。
1班の構成  装置:3~5名  ケーブル:2~3名
APDで設定した被ばく線量の上限に達すると別の班に交代する。
1日で5~10班が作業した。
毎日の計画線量は3mSv/日・人。
事前に想定されていた作業時間は、1班約5分間だった。

作業に携わった30数人の被ばく線量は、9日間の作業で、一人あたり平均3.3mSvを超えている。
福島原発事故前の原発作業員の被ばく量は、年間平均1.1mSvで、9日間で3年分を被ばくをした。
計画線量に対して実際の被ばく量は最大で計画線量の60%を超えている。ギリギリの準備で作業が強行された可能性がある。

表2 2号機PCVのX-6ペネ穴あけ作業(ステップ1~3、2016年12月12日~24日)の被ばく
作業日 作業内容 班数 班の人数 全人数 被ばく線量(mSv)
2016.12.12 穴あけ装置、遮蔽岱、隔離機構の設置 5 2~3 34 平均0.26、最大1.20
2016.12.13 穴あけ装置、遮蔽岱、隔離機構の設置 5 2~3 34 平均0.31、最大1.77
2016.12.16 X-6ペネのハッチ清掃 10 2~4 35 平均0.44、最大1.58
2016.12.19 再設置 10 2~4 32 平均0.34、最大1.52
2016.12.20 クランプ清掃(錆落とし) 6 2~4 32 平均0.34、最大2.18
2016.12.21 クランプ清掃(錆落とし) 5 2~4 31 平均0.36、最大1.82
2016.12.22 穴あけ 6 2~4 32 平均0.43、最大1.73
2016.12.23 弁交換と再設置 5 2~4 33 平均0.22、最大1.30
2016.12.24 穴あけ 6 2~8 36 平均0.68、最大2.15

●ロボットによる内部調査まで(ステップ4~7、2017年1月26日~2月16日)
X-6ペネハッチ孔から、ガイドパイプによる事前調査、堆積物除去に続き調査ロボットが投入された。
作業現場の線量率は3mSv/h~7mSv/h、計画線量は3mSvで、最大被ばくは1.66mSvであった。

2号機原子炉格納容器内部調査について(東京電力、2017年2月24日)抜粋

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