原発被曝労働者・JCO臨界事故被害者の救済に向けた取り組み(8)
2010年2月8日 第1回中央行動 質問書への回答と質疑(2/3)
2.質問書への回答と質疑(2)
◆JCO事故周辺住民健診の継続について
下記の質問に対して
国の委託で茨城県・東海村・那珂町が行う住民健康診断が、JCO臨界事故の翌年から毎年実施され、毎年300名前後の住民が受診してきました。2005年の茨城県の住民アンケートで回答の90%が継続を希望しています。原子力災害関連周辺住民健康診断は原子力安全等推進基金から3億円が充当され、事業期間はH13〜H80となっています。茨城県知事は臨界事故10年の記者会見で、「周辺住民の健康診断についてはできるだけ継続していきたいと思っております。不安を訴える人がいないという状況になれば別でありますが、当面は続けていくつもりです。」と語っています。「関係者が存命中は継続する」との担当部局の県議会答弁もあります。 |
文科省は、「県の意向を尊重するというのは当然のことでございまして、引き続きこういった診断等継続してまいりたいと考えております。」と回答しました。
事故後10年、国に継続を明確に表明させた事は大きなことです。
◆精密検査について
文科省は、がん検診の結果の精密検査は周辺住民健康診断の目的の「不安解消」の範囲外であるとして、精密検査の無料化も精密検査の結果の検討も拒否しました。私達は、例えば白血病が出たら労働者なら労災認定される被曝レベルの人もいる。全く評価をしない扱いは不当と反論しました。
◆JCO事故の被曝労働者の健康管理について
こ回答については、交渉の折衝段階で内閣府と厚労省が担当を譲り合い、この問題が忘れ去られた状態であることを露呈しました。事故から10年後、この交渉で初めて、JCO臨界事故の被曝労働者の健康管理に光が当たりました。離職者は、遠隔地在住者を含めて健康診断を受診していること、費用はJCO負担であることが明らかになりました(文書回答2月9日)。健康診断にがん検診が含まれているかなど引き続き問題にしていきます。