町中の鋳造工場で、解体廃棄物の金属を溶融・鋳造
東海原発から炭素鋼4トン搬出に抗議!

  6月6日、東海原発から町中の鋳造工場へ、解体廃棄物由来の炭素鋼4トン、搬出
 東海発電所において用いた資材等のうち燃料取替機などの撤去工事で発生した炭素鋼約107トンのうち、20トンが今後、2007年6月6日から11月末(予定)の期間に町中の鋳造工場で溶融加工される計画です。
 そのうち4トンが、6月6日に、原発から搬出され、町中の鋳造工場へ送られます。

 クリアランス法案が成立する過程で、「制度定着までの間、電力会社が率先利用する」と原子力事業者が表明し、経済産業委員会でも「積極的な情報提供、理解促進に努めながら、適切な時期に原子力安全・保安部会などの場において、広く関係者の御意見を伺いつつ、制度の定着状況について判断していきたい。」との答弁が行われています。今回、町中の工場で溶融・加工するのはそのごまかしです
 町中の工場で行われる溶融加工の際に放射能の一部が広がることをどうやって、監視し、防止するのでしょうか。
 東海でクリアランスの地ならしがなし崩しに進められようとしていること、その第一歩として行われる今回の搬出に抗議します。
(参考)
法制化に際しての電事連、政府の説明  「制度が定着するまでの当面は業界内で再利用」
 衆議院経済産業委員会(平成17年04月22日)での政府答弁
 第18回原子力安全・保安部会議事録(抜粋)
 原子力施設におけるクリアランス制度の整備について(該当ヶ所p.28-30)
鉄材は、社内以外でも使用
 鉄材は、社内で使うほか、東海村で日本原子力研究開発機構などが建設中の大強度陽子加速器施設(J-PARC)などの構造材や遮へい体として再利用されると報道されています。
107トンの鉄はほんの一部
 日本原電の発表によると、東海原発の解体で約19万2400トンの廃棄物が発生じ、そのうち金属とコンクリート計約4万200トンがクリアランス対象で、全体の2割を占めます。
 鋳造工場や電炉工場で加工される107トンは、東海発電所において用いられた資材等のうち金属の一部(約2000トン)について、具体的に、含まれる放射性物質の測定・評価を行い経済産業省から確認証の交付を受けたものです。
 このように、鉄材107トンは東海原発の解体に伴い生み出されるクリアランス対象物のほんの一部に過ぎません。
厳重な監視と抗議の集中を
 日本原電の発表では、今後も町中の工場への搬出が繰り返される。厳重な監視を行い、クリアランス物が原発内から環境に運ばれ、クリアランスがなし崩しに原発外の環境を含めて進められることに抗議の声を集中する必要があります。
経過
2008年5月27日 経済産業省、日本原電に金属291トンの放射能濃度の確認証を交付
2008年3月26日 日本原電、金属291トンの放射能濃度の確認を申請
2007年10月10日 日本原電、大強度陽子加速器施設(J-PARC)に、クリアランス材含有鉄遮蔽体(100×50×20cm、重量約700kgのブロック)20体を納入
2007年6月6日 東海原発から炭素鋼4トン搬出。町中の鋳造工場で、解体廃棄物の金属を溶融・鋳造。
2008年3月3日までに45トンを搬出。それ以後については公表されていない。
2007年5月31日 経済産業省、日本原電に放射能濃度の確認証を交付
2007年4月27日 日本原電、金属くず約107トンについての放射能濃度確認申請
 - クリアランス制度が出来て最初 -
2006年10月~2007年4月 日本原電、東海発電所において用いた資材等(金属くず約107トン)の測定および評価
2006年9月8日 経済産業省、日本原電に認可
2006年6月2日 東海発電所において用いた資材等のうち金属の一部(約2000トン)に含まれる放射性物質の放射能濃度の測定および評価方法についての確認申請

再生加工の概要(日本原電発表)

(1)鋳造品
①加工対象         上記の金属 約107トンのうち 約20トン
②用 途           ・応接テーブル、ベンチ、ブロック
                 ・原子力関連施設の遮へい体
③加工先への搬出時期  平成19年6月6日(水)*2~11月末(予定)
                 *2 6月6日には第1回目として約4トンを搬出予定。
(2)電炉製造品
 ①加工対象上記の金属  約107トンのうち 約87トン
 ②用 途           ・原子力関連施設の建設工事で使用する鉄筋
 ③加工先への搬出時期  関係先との調整・準備が整い次第、実施する予定。

鋳造メーカーへの炭素鋼搬出・加工状況(2007年6月6日~)
搬出日 重量※1 製 品 再利用先(予定)
平成20年3月3日 約2トン 遮へい体、ベンチ J - PARC、日本原電
平成20年2月28日 約4トン 遮へい体、ベンチ J - PARC、日本原電
平成20年2月25日 約4トン 遮へい体、ベンチ J - PARC、日本原電
平成20年2月18日 約4トン 遮へい体、ベンチ J - PARC、日本原電
平成20年2月14日 約4トン 遮へい体、ベンチ J - PARC、日本原電
平成20年2月7日 約4トン 遮へい体、ベンチ J - PARC、日本原電
平成20年2月1日 約2トン 遮へい体、ベンチ J - PARC、日本原電
平成19年11月5日 約5トン 遮へい体、応接テーブル、ベンチ、ブロック J - PARC、日本原電
平成19年9月25日 約4トン 遮へい体、応接テーブル、ベンチ、ブロック J - PARC、日本原電
平成19年8月20日 約4トン 遮へい体、応接テーブル、ベンチ、ブロック J - PARC、日本原電
平成19年7月9日 約4トン 遮へい体、応接テーブル、ベンチ、ブロック J - PARC、日本原電
平成19年6月6日 約4トン 遮へい体 J - PARC※2
※1 重量については概算で表示しています。
※2 大強度陽子加速器施設

再利用実績
搬出日 再利用先 製品 数量
平成20年7月3日 日本原電 敦賀原子力館 ベンチ 5脚
テーブル 1台
平成20年5月23日 日本原電 東海テラパーク ブロック 600個
平成20年3月31日 北陸電力(株)志賀原子力発電所 ベンチ 1脚
平成20年3月28日 J - PARC 遮へい体 19体
(社)日本アイソトープ協会 滝沢研究所 ベンチ 1脚
平成20年3月24日 J - PARC 遮へい体 20体
平成20年2月29日 J - PARC 遮へい体 20体
日本原電 東海テラパーク ベンチ 7脚
日本原電 東海テラパーク テーブル 2台
日本原電 東海発電所 テーブル 1台
日本原電 東海事務所 テーブル 2台
平成19年10月10日 J - PARC 遮へい体 20体
日本原電 東海テラパーク ベンチ 1脚
ブロック 18個
※大強度陽子加速器施設

原発解体に備える
原子炉等規制法改定法案採決に抗議

              クリアランス制度の導入中止を求める全国署名に
             1万3982名が署名!  ご協力ありがとうございました。

 クリアランス制度導入のための原子炉等規制法改悪反対の運動を展開してきましたが、 公開の原則に反し、多くの国民がクリアランス制度について知らされず、法案の問題点を厳しく追及する議員が少ない状況で、法案は2005年5月13日に成立させられてしまいした。.........詳しくはこちらで

 クリアランス制度とは、原発解体などによる大量の放射性廃棄物を「放射性廃棄物として扱う必要がない」として、そのほとんどを捨てたり再利用できる制度です。電気事業者の利益が優先され労働者と乳幼児を含む公衆がヒバクさせられます。
 国分寺市市議会が全会一致でクリアランス制度導入反対の意見書を採択
しました。4月5日には、関西の市民が 国会請願書を提出しました。
 ヒバク反対キャンペーンが呼びかけた「クリアランス制度導入反対全国署名」には1万3897名が署名しました。

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