log_img

国の責任で、すべての福島原発事故被災者と被ばく労働者に、健康手帳の交付、健康と生活の保障を!
HOME > トリチウム汚染水の海洋放出を許すな > 質問書への政府回答

8団体「トリチウム汚染水の海洋放出の問題点に関する質問」への政府回答

       回答pdf版(経済産業省、原子力規制委員会、原子力委員会、外務省)
経済産業省
    資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 原子力発電所事故収束対応室
質問事項回答
1. 高濃度のトリチウムを含むトリチウム汚染水(「ALPS処理水」)を海水で薄めて放出することはこれらの「確認事項」、すなわち、「サブドレン及び地下水ドレンの運用方針」および野ア福島県漁連会長の証言に反するのではありませんか。
2. 告示濃度限度の6万ベクレル/リットルでの放出は敷地外へ放出される放射線を無視していて告示違反であり、運用目標の1,500ベクレル/リットルでの放出は「希釈しない」および「ALPS処理水は放出しない」との条件違反であり、結局、高濃度のトリチウムを含むトリチウム汚染水を海水で薄めて放出することはできないと私たちは考えますがどうですか。
 サブドレン及び地下水ドレンについては、希釈を行わずに排水することを運用方針として定めています。ALPS処理水は、汚染水を浄化処理した後の水であり、サブドレン及び地下水ドレンと異なります。仮にALPS処理水を海洋放出する場合には、希釈を行い、トリチウムについての規制基準を満たすことが必要となります。なお、液体放射性廃棄物を希釈して海洋放出することは、通常の原子力発電所でも、法令を遵守した上で行われています。
 また、ALPS処理水の処分に当たっては、法令を満たすことだけではなく、関係者の方々に十分ご説明をし、ご理解を得ていくプロセスが不可欠だと認識しております。

3. 原発から放射能をこれ以上環境に放出すべきではないとの福島県民の思いを尊重し、トリチウム汚染水の希釈・海洋放出の方針を撤回すべきだと私たちは考えますが、いかがですか。
 ALPS処理水の海洋放出を決めた事実はありません。
 具体的な処分方法を含め、ALPS処理水の取扱いについては、地元自治体や農林水産業者を始めとした幅広い関係者から御意見を伺ってまいります。
4. 海洋放出に対し、浪江町、南相馬市、石川町などの議会、福島・茨城の県漁業協同組合連合会及び全国漁連、福島の農業・森林組合がすでに反対表明をしています。故意の加害だとの指摘が出ています。国は、福島県内各地や茨城県はもちろんのこと、全国各地で国民の意見を聴くため「公聴会」を開くべきです。福島をはじめ多くの国民の意見を無視し、トリチウム汚染水の希釈・海洋放出をしないことを確約してください。  ALPS処理水の取扱いについては、広く全国から意見を聴くことができるようにするため、書面での意見募集を行っており、また、「御意見を伺う場」においては、2月10日に公表されたALPS小委員会の報告書を踏まえ、これまで、地元自治体や農林水産業者を始めとした幅広い関係者から御意見を伺っています。今後も、これらの方法により御意見を伺ってまいります。

5. 増田圭復興庁原子力災害復興班参事官(「原子力災害による風評被害を含む影響への対策タスクフォース」事務局担当は、2018年7月5日の私たちとの交渉で、「放射線防護は厚労省の立場で、復興庁はその立場に立たない」と回答しています。全省庁を統括する復興庁が「放射線防護の立場に立たない」との立場をとるのは論外であり、私たちは本回答の撤回を求めています。
 経産省としては、「この復興庁回答とは異なり、放射線防護の立場に立って、トリチウム汚染水対策などでの追加被ばく低減策を講じる」、「法令で担保されている、敷地境界での線量限度1mSv/年を遵守する」と明言して下さい。
 経済産業省としては、「福島復興と福島第一原発の廃炉の両立」の大原則の下、安全かつ着実に廃炉を進めていくことが重要であり、ALPS処理水の取扱いにあたっては、法令を遵守しながら対応すべきであると認識しています。








6. 小委員会では、陸上保管に関しては福島第一原発敷地内にタンク増設場所がないとの東京電力の一方的な主張で押し切られ、米サバンナリバーサイトで(グラウト)固化埋設の実例があるにもかかわらず、これを含めた陸上保管が十分検討されないまま不採用とされています。東電の主張は、敷地利用の当初の想定に基づくものに過ぎず、保管方法や発生汚染水低減策などについて十分検討されたものとは言えません。
 小委員会報告書を差し戻し、原発から放射能をこれ以上環境に放出すべきではないとの福島県民の思いを尊重し、事故被害者にこれ以上被ばくを押し付けない人権優先の陸上保管案を真剣に検討すべきと私たちは考えますがいかがですか。
 タンク保管の継続については、ALPS小委員会報告書において、「廃止措置が終了する際には、ALPS処理水についても、廃炉作業の一環として処分を終えていることが必要」であり、「敷地の制約を踏まえつつ、敷地全体を徹底的に有効活用すべき」とされました。
 また、コンクリート固化による地下埋設については、「これまでトリチウムの処分において前例のない3 つの選択肢(地層注入、水素放出、地下埋設)は、規制的、技術的、時間的な観点からより現実的な選択肢としては課題が多い。」とされました。
 いずれにせよ、ALPS処理水の取扱いについては、地元自治体や農林水産業者を始めとした幅広い関係者から御意見をお伺いしてまいります。
7. 意見聴取等について
(1)意見を聞いても「結論ありきの一方的・形式的な意見聴取」であれば、国民を欺くことになります。
(@)小委員会報告書の結論は、2018年夏の公聴会で圧倒的であった「海洋放出でなく陸上保管を求める意見」に答えた内容ではありません。意見を聞いても「結論ありきの一方的・形式的な公聴会」になっているのではありませんか。
(A)今回の説明会、意見聴取、意見募集はどのような位置づけで行われているのですか。意見を聞いても「結論ありきの一方的・形式的な説明会・意見聴取」、十分な説明と議論なしで課題を風評対策に矮小化した短期期限(5月15日締切)の意見募集、等は国民を欺くことになります。建前だけでなく、福島県民をはじめ茨城県民など国民の声を政策に反映させる内実ある意見聴取、意見募集にするためには、大多数の納得が得られるまで、出された意見への回答と説明を尽くすべきであり、多数の反対意見を押し切って海洋放出や大気放出等の方針を決定すべきではないと私たちは考えますが、いかがですか。
(2)事故で大量の汚染水を発生させた国、東京電力の責任を明確に示すべきです。
 重大事故を起こした国と東京電力の責任を明確に示し、地下水の流れを変える大規模土木工事の代わりに成否不明の凍土遮水壁工事を強行し、結局役に立たず、大量の汚染水を発生させてしまった責任を認めることが出発点になると私たちは考えますが、どうですか。
(3)新型コロナウイルス感染下での説明会や意見を聞く場を中断するべきです。
 新型コロナウイルス感染が日々深刻化する状況で、議論を深めることは無理です。感染が終息するまで、一旦中断し、沈静化した後に国民的議論を巻き起こすべきと私たちは考えますが、いかがでしょうか。そのため、海洋投棄や大気放出に依存しない「タンク容量拡大・増設計画」を練り直して実施し、「トリチウム以外の核種除去後の高濃度トリチウム汚染水の固化埋設・空きタンク再利用」などを早急に検討すべきだと私たちは考えますが、いかがですか。



(@)ALPS小委員会においては、2018年夏の説明・公聴会でいただいた御意見を整理し、その後、約1年半にわたり様々な論点で議論が行われ、本年2月に報告書が取りまとめられました。小委員会では、陸上保管を求める意見についても取り上げられ、議論が行われています。
(A)ALPS処理水の取扱いについては、広く全国から意見を聴くことができるようにするため、書面での意見募集を行っており、また、「御意見を伺う場」においては、2月10日に公表されたALPS小委員会の報告書を踏まえ、地元自治体や農林水産業者を始めとした幅広い関係者から御意見を伺っています。今後も、これらの方法により意見を伺ってまいります。




(2)サブドレンによる地下水の汲み上げや凍土壁の凍結といった予防的・重層的な対策により、汚染水発生量は、対策前の日量約540m^3(平成26年5月)から、約180m^3(令和元年度)まで減少しています。引き続き、汚染水発生量のさらなる低減に取り組んでまいります。


(3)多核種除去設備等処理水の取扱いについては、2月10日に公表された小委員会の報告書を踏まえて、しっかりと検討を進めていくべき案件と考えています。「御意見を伺う場」については、丁寧に関係者の御意見をお伺いするため、既に参加が予定され、かつウェブ会議での参加も可能と回答いただいた方から参加いただいて進めてきています。今後も、新型コロナウイルス感染症の状況も踏まえながら、ウェブ会議での開催を含めて、検討していきます。



原子力規制委員会
    原子力規制庁 東京電力福島第一原子力発電所事故対策室
質問事項回答
【質問1】
 事故を起こした東電福島第一原発は特定原子力施設に指定されています。指定の際に、措置を講ずべき事項の11番目として、「〇敷地周辺の線量を達成できる限り低減すること。〇廃炉の過程で生じる放射能汚染物に由来する敷地境界線量の評価値を 2015 年度末までに 1mSv/ 年未満にすること。」が求められています。
 東京電力によれば、敷地境界線量の評価値は2016年3月時点で 0.96mSv/ 年と評価されています。そのうち地下水バイパス・サブドレン等の海洋放出に0.22mSv/年が割り当てられています。サブドレン等の海洋放出については、「希釈は行わない」と運用方針に明記されたこと及び「 ALPS 処理水は海洋投棄しない 」との確認のうえ漁協が苦渋の決断として受け入れられたものです。
 東京電力は3月24日、「地下水バイパス・サブドレン等の海洋放出に割り当てられた 0.22mSv/年 」に基づく「トリチウム濃度 1,500Bq/L 」を準用し、トリチウム 汚染水 (ALPS 処理水 を薄めてトリチウム濃度 1,500 Bq/L にして放出する素案を示しています。この案には、下記の 3 つの重大な問題点があります。原子力規制委員会に見解を示してください。
(1) これは、「サブドレン及び地下水ドレン以外の水は混合しない 希釈は行わない 。」との「サブドレン及び地下水ドレンの運用方針」(参考資料3)に反します。従って、トリチウム汚染水を薄めて放出することはできないと考えますが、どうですか。
(2) 原子力規制庁は私たちとの 2018 年 12 月 20 日の交渉で、「敷地境界線量の評価値が 1mSv/ 年に満たない残りの分を使える 」かのように主 張しています。しかし、「『 ALPS を通した水は海洋投棄しない』という回答をもらったことによる決断」で「地下水バイパスやサブドレンの放出に協力してきた」との野ア哲福島県漁連会長の証言(参考資料4及び5)に基づけば、「地下水バイパス・サブドレン等」とは別に、トリチウム汚染水としての枠取りを新たに設定することも許されないと私たちは考えますが、いかがですか。
(3) タンク内のトリチウム汚染水は、サブドレン・地下水ドレンのトリチウム濃度が 1,500Bq/L を超えた場合に建屋に移送され、建屋内汚染水と共に処理されたものも 含まれます。従って、これ を 海水で希釈して海洋へ放出することは、結局のところ、「サブドレン及び地下水ドレンの運用方針」を反故にすることになります。それは同運用指針をなし崩し的に撤回し、あらゆる汚染水を希釈放出する方針につながっていくと私たちは危惧しますが、いかがですか。

















(1)〜(3)について
「サブドレン及び地下水ドレンの運用方針」(参考資料3)及び野ア哲福島県漁連会長の証言(参考資料4及び5)、いずれにつきましてもその内容の詳細を承知していないため、お答えしかねます。
(2)について
なお、原子力規制委員会は東京電力に対して、福島第一原子力発電所において、 施設内に保管されている発災以降発生した瓦礫や汚染水等による敷地境界における実効線量(施設全体からの放射性物質の追加的放出を含む実効線量の評価値)を、平成25年3月までに1m Sv/ 年未満とすることを求めているため、 ALPS 処理済水の放出 において も 1mSv/ 年を満たす範囲で行われることが必要と考えています。






【質問2】
 原子力施設等の敷地から外部に放出される放射線や放射性物質について、原子力規制委員会告示(「核原料物質又は核燃料物質の製錬の事業に関する規則等の規定に基づく線量限度等を定める告示」,最新改定2017.12.22 第14号)は敷地境界での一般公衆の被ばく線量が 1mSv/ 年を超えないこととし、個々の核種についての 1mSv/ 年に相当する濃度(「告示濃度」)を定めています。この1mSv/年の制限は、「公衆の被ばく線量限度 1mSv/ 年」を担保するための制限値です。原子力規制委員会告示は原発事故等による敷地外への放射 能放出がなされていないことを前提にしています。しかし原子力規制委員会はこのことを無視し、原子力規制委員会はこれまで「告示濃度」を守っていれば海洋放出は問題ないとの見解を示してきました。この見解は下記に示すように法令違反もしくは法令の趣旨に沿わないと考えます。
(1)この見解は、「事故で敷地外へ放出されて今なお残存する放射能による放射線」および「汚染水タンク等から敷地外へ現在放出されている放射線などの他の要因による放射線放出や放射能放出」を無視しており、法令(告示)違反であることを認めてください。
(2)福島事故で敷地外が放射能で汚染され、福島県民は1mSv/ 年前後の追加被ばくを強いられており、この現状を無視し、それが存在しないかのように振る舞い、「敷地境界で新たな追加被ばく線量が1mSv/年を超えなければ良い」としてトリチウム汚染水の放出枠を新たに設定するというのであれば、本来、原子力規制委員会告示が担保すべき「公衆の被ばく線量限度1mSv/年」を一層担保できなくなります。
 告示濃度を新たな放射線放出・放射能放出に対してだけで機械的に適用して被ばく線量の積み増しを容認するのは法令の趣旨に沿わないと私たちは考えますが、いかがですか。















(1)、(2)について
 原子力規制委員会としては、規制基準を満足した形での海洋放出を行うのであれば、人の健康や環境への影響はないと認識しています。
 なお、福島第一原子力発電所について、 施設内に保管されている発災以降発生した瓦礫や汚染水等による敷地境界における実効線量(施設全体からの放射性物質の追加的放出を含む実効線量の評価値)を、平成25年3月までに1m Sv/ 年未満 とすることを求めているの は同様の考え方からです。






【質問 3 】
東京電力は、トリチウム汚染水にはトリチウム以外の 62 核種が告示濃度限度を超えて含まれていることから、 ALPS または逆浸透膜装置(水以外のイオン・塩類を透過しない濾過膜)で二次処理を検討中だと弁明していますが、更田原子力規制委員長は 2018 年 10 月 5 日の記者会見で、二次処理は「告示濃度制限が守られる限り、絶対に必要なものという認識はない 。 」 「科学的には、再浄化と(より多くの水と混ぜることで)希釈率を上げるのには大きな違いはない。告示濃度制限は非常に厳しい低い値に抑えられている。」( 2018.10.5 記者会見、福島民 友 新聞 2018.10.6 )と発言し、トリチウ ム以外の核種も含めて、告示濃度限度まで薄めればよいとの認識を披露しています。
(1)この発言は明らかに原子力規制委員会告示違反であり、撤回すべきだと私たちは考えますが、いかがですか。
(2)この発言は、「告示濃度限度を超える高濃度の汚染水でも希釈すれば海洋放出できる」という違法な抜け穴を原子力規制委員長自らが電力会社に指南しているかのようにも受けられます。その意味でも、本発言は全面的に撤回すべきだと私たちは考えますが、いかがですか。














(1)、(2)について
規制基準を満足した形での海洋放出を行うのであれば、人の健康や環境への影響はなく 、また、原子炉等規制法に基づく液体状の放射性廃棄物に係る規定では 、 液体中の放射性物質濃度を低下させる手段を二次処理に限定していないことを踏まえた認識を述べたものです。

原子力委員会
    内閣府 原子力政策担当室
質問事項回答
 原子力委員会は1993年11月2日、「我が国としては、今後、低レベル放射性廃棄物の処分の方針として、海洋廃棄は選択しとしてないものとする。」との決定を行っています。
 小委員会報告書の「海洋放出が最も現実的」との結論から導かれる「東電福島第一原発トリチウム汚染水海洋放出」は、この決定に反しています。原子力委員会として東電福島第一原発のトリチウム汚染水を海洋放出に反対する見解を示すべきだと私たちは考えますが、いかがですか。
 御指摘の1993年11月2日付けの原子力委員会決定文中にある「海洋投棄」については、固体廃棄物や固化した廃棄物を海洋に投棄して処分することを指すことから、福島第一原発 トリチウム汚染水の海洋放出は、「海洋投棄」に該当しない。
 なお、我が国では原子力施設からの液体廃棄物の放出については、従来より原子炉等規制法に基づいて原子力事業者が実施していると承知している。

外務省
    国際法局 海洋法室
質問事項回答
1.国連海洋法条約 について
(1)「 東 電福島第一原発トリチウム汚染水海洋放出」はこれらの項目(国連海洋法条約第192条及び第194条 1項 )に抵触すると私たちは考えますがどうですか。
(2)外務省として、陸上埋設・保管案を含めたトリチウム汚染水の海洋投棄以外の選択肢を徹底的に検討することを経済産業省に求めるべきだと私たちは考えますが、いかがですか。
2.ロンドン条約について
(1)「東電福島第一原発トリチウム汚染水海洋放出」はこれらの項目(ロンドン議定書附属書Uの1,5,6)に抵触すると私たちは考えますがどうですか。
(2)2019 年 10 月に開催されたロンドン条約 ロンドン議定書締約国会議では,すでに憂慮を表明していた韓国に加え,中国,チリも憂慮を表明しています。
(@)1993 年 3 月 30 日に閣議決定された平成 5 年度原子力開発利用基本計画でも「海洋処分については,関係国の懸念を無視して行わないとの考え方の下に,その実施については慎重に対処する」とし,これを受けて,原子力委員会も 1993年 11 月 2 日決定の「低レベル放射性廃棄物処分の今後の考え方について(第 16回ロンドン条約締約国協議会議に向けて)」で「我が国としては,今後,低レベル放射性廃棄物の処分の方針として,海洋投棄は選択肢としないものとする。」と断言しています。外務省もこれらの政府方針に従うべきだと私たちは考えますが,い かがですか。
(A)憂慮を表明する国が増えたことを外務省はどのように受け止め,どのような姿勢で臨んでいますか,また今後どのような姿勢で臨もうとしていますか。
1 国連海洋法条約(海洋法に関する国際連合条約)に関して,同条約上,いずれの国も海洋汚染を防止する一般的義務を負っており,このような一般的義務の下,あらゆる発生源からの海洋汚染を防止,軽減,規制するために,実行可能な最善の手段を用い,かつ,自国の能力に応じて,海洋汚染の発生源からの放出等をできる限り最小にするための措置をとることとされています。
2 また,ロンドン議定書(1972年の廃棄物その他の物の投棄による海洋汚年の防止に関する条約(通称:ロンドン条約)の1996年の議定書)に関しては,陸上で発生した廃棄物等の船舶等からの海洋投棄を原則として禁止しているものであり,陸上施設からの廃棄物等の海洋への放出は同議定書の対象とはなりません。
3 ALPS処理水の処分方法については,本年2月10日付で発表されたALPS小委員会報告書の内容を踏まえ,政府部内において検討を行っているところであり,政府として何ら方針の決定をしていませんが,国際法の観点からも問題がないよう,外務省としても政府の一員としてしっかりと対応していきます。
4 さらに,外務省としては,引き続き関係省庁と一体となって,東京電力福島第一原発の状況等についての情報を国際社会に対し,透明性をもって丁寧に説明していく考えです。