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トリチウム汚染水の現状
汚染水の現状
1.ALPS処理水
汚染水の一部は多核種除去装置(ALPS)などで処理され、タンクに貯蔵されています。
2020年3月12日時点での状況(ALPS処理水とストロンチウム処理水の合計)
・汚染水のタンク貯水量は約119万立方メートル、タンク基数979基
・トリチウムの総量は860兆ベクレル、平均濃度73万ベクレル/リットル
出典:多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会報告書を受けた当社の検討素案について
東京電力 2020年3月24日
2.ALPS処理でトリチウムは除去できない
ALPS処理水にはトリチウムが処理前と同じ濃度のままで残っています。
それは、吸着剤等で水からトリチウム(三重水素)を含む水の分子(三重水素水)を分離することは困難だからです。
3.ALPS処理水には除去しきれなかった放射能も含まれる。
タンクに貯蔵されているALPS処理水には除去しきれなかった放射能が含まれています。(トリチウム以外に62の核種が告示濃度以上の濃度で含まれている)
表:告示濃度比総和別貯蔵量(2019年12月31日現在)
出典:東京電力汚染水ポータルサイト
告示濃度比 | 〜1 | 1〜5 | 5〜10 | 10〜100 | 100〜19,909 | 合計 |
貯留量(万m^3) | 30.00 | 34.65 | 20.75 | 16.70 | 6.50 | 108.07 |
告示濃度
原子力規制委員会告示(「核原料物質又は核燃料物質の製錬の事業に関する規則等の規定に基づく線量限度等を定める告示」,最新改定2017.12.22第14号)に定められている濃度です。
原子力施設等の敷地から外部に放出される放射線や放射性物質について、敷地境界での一般公衆の被ばく線量が1mSv/年を超えないこととし、個々の核種についての1mSv/年に相当する濃度(「告示濃度」)が定められています。
この1mSv/年の制限は、「公衆の被ばく線量限度1mSv/年」を担保するための制限値です。
告示濃度比総和
含まれる全核種について、「核種の濃度÷核種の告示濃度」を合計したものです。