核兵器禁止条約

 核兵器禁止条約(核兵器の禁止に関する条約 Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons)は2017年7月7日、加盟国の6割を超える122か国の賛成によって、国連で採択されました。批准が50国に達すれば90日後に発効します。3年3カ月を経て2020年10月24日に批准国が50か国となり、2021年1月22日に発効しました。2022年9月25日現在 署名:91か国・地域、批准:68か国・地域となっています。(出典:国連軍縮局

 核保有国の米・英・仏は、条約採択直後に共同プレス声明を出し、「人類の存亡」にも関わる核兵器を法的に禁止し、核廃絶をめざそうという、このような世界の核被害者、市民、国々の努力にも関わらず、条約への不参加を表明しました。そして「(条約は)国際安全保障の現実を明らかに無視している。禁止条約の承認は、70年以上にわたる欧州と北アジアでの平和維持に不可欠な核抑止政策と相容れない。」とし、「国際平和と安全保障」の維持には「核抑止力」が必要であるとの立場から条約採択を非難しました。また「他の核保有国とその核抑止に依存している国々のほとんどが、条約に参加しない」とも述べ、対立姿勢を露にしています。
 ヒバクシャや世界の核被害者、反核・平和運動と連帯し、条約前文にも謳われているように「核兵器のない世界の実現」こそが、世界の「安全保障」につながることを広く訴え、核保有国とその同盟国に「核抑止政策」の放棄と条約への参加を迫らねばなりません。
 そして、条約に記された「核兵器使用の被害者」としての「ヒバクシャ」との連帯はもちろんのこと、ウラン採掘や「平和利用」の原発・核燃料サイクルもふくめた、あらゆる核の被害者を意味する「ヒバクシャ」との連帯を強め、核被害をもたらした国々や原子力産業の責任を厳しく問い、核被害者の人権と補償の確立を求め、「核被害のない世界」をめざして前進しましょう。

 2022年6月21~23日、第一回核兵器禁止条約締約国会議がウイーンにて開催されました。ロシアによる軍事侵攻によって核兵器が使用されることへの懸念が高まる中で開かれたこの会議には、締約国49ヶ国、オブザーバー34ヶ国(うち、15カ国は署名国)、非政府組織85団体、計約1,100人が参加登録しました。  締約国会議は多くの参加と活発で具体的な論議が繰り広げられ、今後の取り組みにつながる内容豊かな宣言と行動計画が採択され、成功裏に終えました。
 宣言では、第12項で、NPT及びNPT第6条との関係について触れています。
 ・NPTを「核軍縮と核不拡散の礎石」と位置付け、それを損なう恐れのある脅威や行動を遺憾とする。
 ・核軍縮を進める「効果的措置」として核禁止条約がNPT第6条を前進させた。
 ・核軍縮を進めるため核禁止条約がNPTと補完関係にある。
 ・NPT運用検討会議で合意されてきた過去の核軍縮措置をそのまま尊重する。
 12 私たちは条約の外の国とも協力する。私たちは、核不拡散条約(NPT)を軍縮・不拡散体制の礎石と認識し、それを損なう恐れのある脅威や行動を遺憾とする。私たちは、全面的に義務を果たしているNPT締約国として、本条約とNPTの補完性を再確認する。私たちは、核軍拡競争の停止および核軍備撤廃に関連する必要かつ効果的な措置として、核兵器の包括的な法的禁止を発効させることにより、NPT第6条の実施を前進させたことを喜ばしく思う。私たちは、全てのNPT締約国に対し、第6条の義務およびNPT再検討会議において合意された行動と約束を完全に実施するための努力を再活性化することを求める。私たちは、共通の目的を達成するため、全てのNPT締約国と建設的に協力するとの約束を改めて表明する。

日本政府は「核兵器禁止条約の署名・批准」と「非核三原則の法制化」を

 日本政府も相変わらず「核抑止論」を捨てず、米国の「核の傘」の下での「安全保障」にしがみついています。そして「禁止条約」に「漸進的アプローチ」を対置して主張し、「禁止条約」を協議する会議にも参加しませんでした。そして条約が採択されたことに対して岸田外相は、「核兵器国と非核兵器国の対立が深刻化する」「両者の信頼関係の再構築が最大の課題である」との否定的見解を述べました(2017年7月11日)。

 このような日本政府の政策を厳しく批判し、「核抑止論」を脱却して「核兵器禁止条約」に署名・批准するよう迫りましょう。  ヒロシマ・ナガサキを経験した国の政府として、核軍縮、核兵器禁止、廃絶にむけた国際的責任を果たすよう求めましょう。
 ヒロシマ・ナガサキの被爆者、世界の核被害者、核兵器禁止・廃絶を求める運動、核被害者への支援・補償を求める運動と連帯し、「核兵器廃絶国際署名」に取り組み、拡げましょう。
 被爆者によって提案されたこの署名運動は、国内外で進められ、2020年までに世界で数億規模をめざして取り組まれています。2019年10月現在、署名数は1051万余筆となっています。各地でこの署名運動に取り組み、拡大していくことを呼びかけます。
 あわせて、日本政府に「非核三原則の法制化」、北東アジアの非核化に向けた取り組みを求めましょう。米国の「核の傘」の下で、北朝鮮による「核の脅威」を煽り「圧力」を強調するのではなく、「話し合い」による事態の打開、「東北アジアの非核地帯化」に向けた外交努力を行うよう求めましょう。

 私たち「ヒバク反対キャンペーン」は発足当時、1995年に「核実験の永久停止を求める国際署名」に取り組み、国連の軍縮会議に4万筆を超える署名(フィンランド、マーシャル諸島など海外から約9000筆)を提出し、フランス、中国の核実験、アメリカの未臨界核実験に反対する活動にも積極的に取り組んできました。
 そして今、この「核兵器禁止条約」の発効から、核兵器の法的禁止、今後の核廃棄に向かって、ヒバクシャ、世界の反核運動と連帯し「ヒバクシャ国際署名」に賛同し、その署名の拡大に取り組みます。
 私たちはまた、日本政府に核兵器禁止条約への署名・批准を求め、北東アジアの非核化、「非核3原則」の法制化などを求め、「核兵器禁止条約の署名・批准」と「非核三原則の法制化」を求める署名の拡大に取り組みます。
☆日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准と非核三原則の法制化を求める署名
    2019年10月現在、約7300筆が集まっています。      署名用紙
☆ヒバクシャ国際署名
    2019年10月現在、1051万余筆が国連に提出されています。 署名用紙

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