「風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略」に基づく
再改定版「放射線副読本」

1.経過
・2011年初版は文科省研究開発局の予算でつくられ、福島事故直後に全国の学校や公民館に配布されました。原発推進の原子力学会の要求で事故前から準備していたものでした。事故後にもかかわらず、福島事故には触れず、原発事故は起こさない、放射線は役に立つという主張であったため撤回運動が巻き起こり、その結果、事実上の撤回、文科省初等中等局による改訂版が作成されました。

・この2014年2月の改訂版は「放射線被ばく100mSv以下ではがんなどの病気になるかどうかさまざまな見解がある、事故で放射能が流れてきても屋内退避で被ばくを避けられる」という政府の公式見解を踏襲しており、賛成できないものでしたが、それでも撤回運動を反映して、福島事故の汚染と被害について教えようとするものでした。

2.再改定版「放射線副読本」
・2018年10月1日、文科省は「放射線副読本」の再改訂版を公開しました。 文科省ホームページ
 
≪改訂のポイント≫
平成29 年12 月にとりまとめられた「風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略」(原子力災害による風評被害を含む影響への対策タスクフォース)を踏まえるとともに、以下に示すポイントに沿った内容に改訂。


まず、放射線に関する科学的な知識を理解した上で、原発事故の状況や復興に向けた取組を学ぶという章立ての構成。


復興が進んでいる一方で避難児童生徒に対するいじめが課題となっていることを踏まえ、いじめは決して許されないことについて強く言及。


震災から7年が経過し、住民の帰還や避難指示の一部解除、学校の再開など、復興が着実に前進している様子を紹介。

・小中高生のほぼ全員分1450万冊が、文部科学省から全国の学校に直送されました。
 予算は2018年度1億7900万億円です。
・2019年度にも、全国の小・中・高等学校等の新入学生に配布されます。
 5800万円の予算が計上されています。

・学校はどのように利用したか回答しなければなりません。
  ≪活用状況のフォローアップ≫
授業での活用状況、活用した教科名、活用にあたって工夫した点、改善すべき点などについて、学校現場の調査に関する事務負担にも配慮しつつ、アンケート調査(抽出方式)により、フォローアップを行う予定。
(出典:「文部科学省における「風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略」を踏まえた主な取組について」平成31年4月12日 文部科学省)

3.再改定は「風評払拭・リスクコミニュケーション強化戦略(2017年12月)」に基づく
強化内容
 1.知ってもらう(放射線に関する正しい知識の理解と誤解の払拭)
 2.食べてもらう(農林水産物の風評の払拭)
 3.来てもらう(観光業における風評の払拭)
強化戦略の最大のターゲットは学校教育・児童生徒です。

1.知ってもらう (4)風評払拭に向けて取り組むべき具体的な施策 ①放射線教育 (a)再改定
(a)放射線副読本については内容及び構成を見直す。また、いたずらに不安を煽る曖昧な表現は避けるとともに、児童生徒がしっかり理解できるように小問題を入れるなどの工夫を行う。

「風評払拭・リスクコミニュケーション強化戦略」の<抜粋>
Ⅱ.強化内容
1.知ってもらう(放射線に関する正しい知識の理解と誤解の払拭)
(1)伝えるべき対象
①児童生徒及び教師等教育関係者 ②妊産婦並びに乳幼児及び児童生徒の保護者 ③広く国民一般
(2)伝えるべき内容
①放射線の基本的事項及び健康影響
(a)人の身の回りには日常的に放射線が存在し、日常生活において放射線被ばくをゼロにすることはできない。
(b)放射線はうつらない。
(c)放射線被ばくをした場合、子供への遺伝性影響が出ることはない。
(d)放射線による健康影響は、放射線の「有無」ではなく「量」が問題となる。
(e)放射線による発がんリスクの増加は、100~200 ミリシーベルトの被ばくをした場合であっても、野菜不足や高塩分食品摂取による発がんリスクの増加に相当する程度である。
(f)事故による放射線被ばくの健康影響は証明されていない。
(g)事故とチェルノブイリ原子力発電所事故とは異なる。
(h)福島県内の空間線量率は事故後6年で大幅に低下しており、全国や海外主要都市とほぼ同水準となっている。
②食品及び飲料水の安全を守る仕組みと放射性物質の基準
(a)福島県産の食品及び飲料水は、放射性物質に関する検査の徹底により、安全が確保されている。
(b)日本の食品及び飲料水の放射性物質の基準は、世界で最も厳しい水準となっている。
(c)福島県において、現在、基準値を超える食品及び飲料水はほとんどない。
特に、福島県産米については、平成 27 年産米以降、基準値を超過したものはなく、畜産物は平成 24 年 12 月以降、海産魚介類は平成 27 年4月以降、基準値以内である。
なお、検査により基準値超過が確認された場合は、市場に流通しないよう必要な措置がとられている。
③復興が進展している被災地の姿
復興に向けて前向きな取組を行う人々の姿や実際に被災地においてのハード・ソフト面の復興が進んでいる状況を、風評払拭につながる形で発信する。
④東京電力福島第一原子力発電所等に関する情報
東京電力福島第一原子力発電所の現状について正確な情報が伝わっていないことによって、福島県の現状等に対する不安が拭えない場合もある。
そのため、廃炉・汚染水対策については、世界の叡智・技術を結集しつつ、国が前面に立って安全かつ着実に進めていることについて、関係府省庁における発信媒体の性質などを踏まえ、必要に応じて簡潔に分かりやすい情報発信を行う。
(3)発信の工夫 <省略>
(4)風評払拭に向けて取り組むべき具体的な施策 <省略>
(5)被災地の不安払拭に向けた取組 <省略>
2.食べてもらう(農林水産物の風評の払拭) <省略>
3.来てもらう(観光業における風評の払拭) <省略>

「風評払拭・リスクコミニュケーション強化戦略」の<経過>
2013年3月21日  第1回「原子力災害による風評被害を含む影響への対策タスクフォース」開催
2014年6月23日  第3回タスクフォースで「風評対策強化指針」を決定(3つの強化指針)
        ・風評の源を取り除く
        ・正確で分かりやすい情報提供を進め、風評を防ぐ
         この中に、「放射線リスクに関する基礎的情報」の活用拡大
              学校、病院、公共施設を通じて、住民・保険医師等に幅広く発信
         とされている。
        ・風評被害を受けた産業を支援する
2017年2月21日  第7回タスクフォースで「風評対策強化指針」の追補改定
2017年7月21日  第8回タスクフォースで復興大臣から
         「風評払拭のためのリスクコミュニケーション戦略の策定等」の指示
2017年12月12日 第9回タスクフォースで「強化戦略」決定

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放射線副読本
再改定版「放射線副読本」分野top
第1回署名提出と復興庁、文科省交渉の報告(2019/08/29)
再改定版「放射線副読本」に係る動き
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文部科学省との交渉(2019/03/22)
再改訂版放射線副読本撤回・関西討論集会(2019/01/12)
10.26緊急討論集会決議
放射線のホント、再改訂版放射線副読本批判・緊急討論集会(2018/10/26)

再改定版「放射線副読本」撤回署名
再改定版「放射線副読本」の撤回を求める署名
放射線副読本署名拡大リーフレット

関連資料
風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略
放射線のホント
2018年小学生向け放射線副読本
2018年中高生向け放射線副読本
2014年小学生向け放射線副読本
2014年中高生向け放射線副読本
2011年小学生向け放射線副読本
2011年中学生向け放射線副読本(1/2)
2011年中学生向け放射線副読本(2/2)
2011年高校生向け放射線副読本(1/2)
2011年高校生向け放射線副読本(2/2)
文科省における主な取組みについて(2019年4月12日)
文科省における主な取組みについて(2018年7月5日)

「放射線のホント」撤回の取り組み
分野トップ
第2回署名提出(2019/06/12)
第1回署名提出(2018/12/20)
政府交渉に向けた討論集会(12/6)
署名一次集約(2018/11/13)
10.26緊急討論集会決議
放射線のホント、再改訂版放射線副読本批判・緊急討論集会(2018/10/26)
署名スタート(2018/9/1)
2018年7月5日政府交渉

「放射線のホント」撤回署名
説明
署名用紙
署名拡大リーフレット

「放射線のホント」撤回署名ニュース
5号 2019.06.12政府交渉報告
4号 2019.06.12政府交渉に向けて
3号 2018.12.20政府交渉報告
2号 2018.12.20政府交渉に向けて
一次集約号

関連資料
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