控訴審 第二回口頭弁論 12月25日(木)午後2時 東京高裁812号法廷 New
証人尋問は受け入れられず結審となりました。
判決 3月26日(木) 午後2時
控訴審 第一回口頭弁論 10月30日(木)午前11時 東京高裁812号法廷
原発被曝切り捨てを許すな、長尾原発労災裁判控訴!報告と講演の集い
10月30日(木)18時30分~ 東京 全水道会館
主催 東京電力を告発する長尾光明さんの原発裁判を支援する会
内容 ①報告 「長尾判決と控訴の要点」
長尾弁護団(弁護団長 鈴木弁護士:江戸川法律事務所)
②講演 「水俣・アスベスト・長尾被曝、疫学は市民の科学」
片岡明彦 (関西労働者安全センター)
多発性骨髄腫を否定した、不当判決 厚生労働省が認めた因果関係も否定
主治医による「多発性骨髄腫」の診断を否定する不当な判決がでました。
2003年に長尾さんの多発性骨髄腫の業務上外を検討した厚生労働省の検討会は、多発性骨髄腫の診断についても検討しています。第2回検討会議事概要には、次のように記載されています。
「多発性骨髄腫の診断について資料1、3、4を用いて検討を行った。請求されて
いる事案の疾病について、国際的な診断基準等に照らしたところ、臨床的には、
主治医の診断どおり「多発性骨髄腫」と判断して問題ないと考える。 しかしながら、
さらに正確を期すため手術時の病理組織検査の診断結果等を取り寄せる必要が
あるとの見解に達した。また、発症年月日についても同じく主治医の判断どおりとし
て問題ないと考える。」
厚生労働省・検討会は最終的に多発性骨髄腫として労災認定しました。
東電は裁判の途中で最新の国際基準を「あとだし」してきました。2007年12月の結審の前に、長尾さんは今度は右鎖骨に骨融解を発症し、その病巣には形質細胞腫が検出されて多発性骨髄腫の診断がさらに確実になっていました。裁判官はいったい長尾さんは何の病気だというのでしょうか。
判決はその上に、厚生労働省の検討会が疫学調査資料をもとに出した「長尾さんの多発性骨髄腫は業務上の放射線被曝と因果関係あり」とする結論をも否定しています。もし病名を否定するのであれば、因果関係など問題にならないはずです。東電の言っていることをすべて代弁したのが今回の判決です。
判決 5月23日(金)13時10分、東京地方裁判所
18時30分~ 長尾訴訟報告集会 東京 全水道会館にて
主催 東京電力を告発する長尾光明さんの原発裁判を支援する会
2007年12月7日、長尾原発労災裁判は結審となりました。
和解勧告も打診も一切なく、判決は2008年3月28日(金)13時10分となりました。しかし、その後、裁判所から変更するとの連絡があり、5月23日(金)となりました。
長尾光明さんはベテランの配管工として、1976年から約4年間東京電力福島第一原発などで被曝労働に従事し、血液のがんである「多発性骨髄腫」を発症しました。「私のあとに続いてほしい。そのためにも勝たなくては。」という長尾さんの強い意志と全国の支援の力で、2004年1月労災認定されました。
長尾さんは多発性骨髄腫は原子力損害であるとして、東京電力に対し損害賠償を求め、2004年10月7日に提訴しました。原子力損害は、因果関係が認められれば電力会社が賠償義務を負います。ところが東電は、厚生労働省が認めた因果関係を否定し、さらには時効を主張し、損害金額、果ては「長尾さんは多発性骨髄腫ではない」と主治医の診断まで否定しました。
法廷と報告集会への多数の参加を呼びかけます。
長尾さんの最終意見陳述書
東京地方裁判所 御中
長尾光明
1.私は、1977年10月から1982年1月まで、東京電力福島第一原子力発電所等において配管工事に従事し、大量の放射線被曝を受けました。1998年に第3頚椎と左鎖骨の2ヵ所に病的骨折が見つかり、多発性骨髄腫との確定診断を受けました。それ以後、抗がん剤などの治療を受け、身体のしびれ、耳鳴り、頭痛などに苦しみながらも、小康状態を保ってきました。ところが、今年の10月頃から右鎖骨辺りにも痛みが出てきました。調べてもらったところ、左鎖骨のときと同じように骨が溶け、骨髄腫ができていると聞きました。
2.私の多発性骨髄腫の原因は当時の放射線被曝にあります。
千船病院の高橋哲也先生や兵庫医大の専門医に診てもらい、私が多発性骨髄腫であることが分かりました。阪南中央病院の村田三郎先生にも診てもらって、放射線被曝が原因であることを証明してもらいました。国においても、私が多発性骨髄腫にかかっていて、放射線被曝が原因であることが認定され、労災として認められています。
3.ところが、裁判では、東京電力がこれを不当に争い、清水一之医師がそのたくらみに手を貸し、私が多発性骨髄腫ではないと主張してきました。私を診察したこともない清水医師が私の病名を決め、はては外国の医師の威を借りてまでして、東京電力の責任回避のために協力したことは、病に苦しむ患者を助けるべき医師として失格だと思います。清水医師にそのような協力をさせた東京電力については、もっと許すことができません。
私が働いていた当時に、アルファ核種という放射性物質が大量に放出されていたことを後で知りました。東京電力は長い間そうした事実を隠してきましたし、いまだに認めようとはしません。裁判における東電の姿勢は、自分たちに都合の悪いものは事実をまげてでも隠そうとするもので、情報隠しとまったく同じものだと思います。 4.原子力発電所での仕事は本当に苦しいものでしたが、私は精一杯働いてきました。その結果が、多発性骨髄腫です。もし原発で働くことがなかったら、今のような苦しみを背負うこともなかったと思うと、本当にくやしくてなりません。
私は現在、病床にあって、法廷で意見を述べることはできませんが、裁判官におかれましては、日本の原子力発電所の暗闇を照らすような判決を下されることを切に願います。
原子力損害賠償法に基づく賠償請求裁判
厚生労働省が認めた因果関係を否定する東電
東電に勝たせるために補助参加した国に抗議を!
長尾さんは東京電力に健康破壊に対する原子力損害賠償を求め、東京地裁に提訴しました。
東京電力は①時効である、②被曝労働と多発性骨髄腫の因果関係はないと主張しています。長尾さんの労災申請に対して厚生労働省が特別に業務上外の検討会を設置して因果関係有りと認めたことを否定しているのです。
また、東電が敗訴した場合に東電が国に支払いを請求することになるとして、国が裁判に補助参加してきました。なんと国は、「補助参加の目的は東電に勝たせるためである。東電の主張は否定しない」と説明しています(2005年7月1日、文部科学省と長尾裁判支援グループの交渉にて)。 被害者救済を目的とする原子力損害賠償法の目的を否定する行為であり、許せません。抗議の声を集中しましょう。
東電はさらに、裁判の途中から、多発性骨髄腫の診断が誤りであると新たな主張を始めました。この点については、上記の検討会(第2回)議事概要に、「多発性骨髄腫の診断について資料1、3、4を用いて検討を行った。請求されている事案の疾病について、国際的な診断基準等に照らしたところ、臨床的には、主治医の診断どおり「多発性骨髄腫」と判断して問題ないと考える。しかしながら、さらに正確を期すため手術時の病理組織検査の診断結果等を取り寄せる必要があるとの見解に達した。また、発症年月日についても同じく主治医の判断どおりとして問題ないと考える。」と記載されています。
長尾さんに続け ! まだ補償されないヒバクシャの補償をめざして
「ヒバクを許さない集いPart5」(被爆59周年原水爆禁止世界大会「ひろば」) → 報告その他
ヒバク反対キャンペーンへのご連絡、お問い合わせなどは下記の宛先にメールを送ってください。
hibaku-hantai@nyc.odn.ne.jp