原発被曝労働者・JCO臨界事故被害者の救済に向けた申し入れに賛同してください。

 日本で原発が運転開始されて40年が経過しました。原子力発電所をはじめ原子力施設は放射線被曝労働なくして稼働しません。原発被曝労働者は劣悪な環境で危険な放射線被ばく労働に従事しています。法的な放射線被曝限度以下でも健康被害は避けられません。原発推進の中で30万人規模の原発労働者が被曝しています。
 原発被曝労働者の労災補償は申請20件、認定10件に過ぎません。原発被曝労働者の放射線被曝線量は全体で3000人・Svを超え、がん・白血病の死亡だけでも300人規模の被害が推定されますが、被害健康のほとんどが放置されています。新政権にこの事態を認識させ、離職者への健康管理手帳の交付・公費健康管理の制度化・労災補償対象疾病の大幅拡大など、原発被曝労働者の健康被害を救済するための諸施策を早急に行わせることが必要です。
 2003年〜2008年にかけて、長尾さんの多発性骨髄腫、喜友名さんの悪性リンパ腫労災認定を全国の運動の力で勝ち取り、2009年にはこれら2 つの疾病を労規則35条別表の放射線業務の労災補償対象疾病リストに追加させることができました。
 原発推進政策は日本でも原子力事故の被害者を生みだしました。JCO臨界事故から10年、現地を中心に、風化を許さず、健康被害補償を求め、住民健康診断を継続させてきました。
 私たちは、原発被曝労働者・JCO臨界事故被害者の救済に向け、下記の事項を実現することを目指します。(詳細は申し入れ書をご覧ください)
・被曝労働者への健康管理手帳の交付、健康管理と健康被害補償
・被曝労災の認定例示疾病の拡大(労規則35条の別表)
・放射線管理手帳への労災補償関連法規の記載
・被曝労災の審査情報等の公開
・原発被曝労働の労働環境の改善・被曝低減
・長尾原子力損害賠償裁判への文科省補助参加の取りやめ
・JCO臨界事故被害者の健康診断の継続と健康被害の補償
被害者の訴えを受け止め、その補償拡大を目指しましょう。
別紙の申し入れ書を政府に提出しますので、賛同してください。各地で運動の輪を広げてください。
原水爆禁止国民会議、関西労働者安全センター、反原子力茨城共同行動、原発 はごめんだヒロシマ市民の会、双葉地方原発反対同盟、原子力資料情報室、ヒバク反対キャンペーン


2010年2月8日中央行動の政府への申し入れ書 ダウンロード

原発被曝労働者・JCO臨界事故被害者の救済に向けた申し入れ書
2010年2月8日
内閣総理大臣 鳩山由紀夫様
厚生労働大臣 長妻昭様
文部科学大臣 川端 達夫様

 原子力発電をはじめあらゆる原子力施設は放射線被曝労働なくして稼働しません。被曝労働者は劣悪な環境で放射線被曝労働を強いられています。
 放射線被曝はがん・白血病およびその他の疾病を引き起こします。放射線被曝にこれ以下なら安全という線量の限度はなく、法律に定められている放射線被曝線量限度は、生じる被害・人命を金銭に換算し、企業の利益と天秤にかてけ定められています。
 日本の原発被曝労働者の労災申請・認定件数は、労働者全体の被曝線量から推定される被害に比べ、また、アメリカ、イギリスなど海外の申請・補償状況に比べても、極めて少なく、被害は放置されています。
原子力推進により重大事故の被害も生じます。1999年のJCO臨界事故では多数の住民・労働者が放射線を被曝しました。国は、統計的に被害が現れないと過小評価し、人的被害を認めようとしません。
私たちは、切り捨てられてきた原発被曝労働者・JCO臨界事故被害者の救済に向けて、政府・関係各省に、下記の事項を早急に実現するよう申し入れます。
これらの事項の多くは、これまで私たちが長らくその実現を旧政府に求めてきたもの、あるいは運動の成果を更に前進させるものです。それを踏まえて、新しい政府・関係各省が誠実な対応をされることを求めるものです。

申し入れ事項

<健康管理手帳について>
一、放射線被曝労働を労働安全衛生法施行令の「健康管理手帳を交付する業務」に加え、健康管理手
  帳を発行すること

<労規則35条に関して>
一、労規則別表1の2の電離放射線業務に対して、労災認定例示疾病を大幅に拡大すること
 ・がんについては、すべてのがんを対象にすること
 ・がん・白血病以外の病気について、大幅に拡大すること
一、例示に無い疾病の労災申請に対して、本省の責任で慎重に審査を行い認定すること
 ・梅田さんの心筋梗塞労災申請に対して、申請者の申し立てを深刻に受け止め、「管理されない被
  ばく」について厚労省自ら徹底的に調査し、労災認定すること
一、電離放射線業務に対して、別表1の2の例示疾病として、多発性骨髄腫と悪性リンパ腫が追加され
  たことを周知徹底すること
 ・電離放射線業務関連事業所に説明パンフレットを配布し、従事者への説明を義務付けること

<放射線管理手帳について>
一、放射線管理手帳に、認定対象疾病(包括的救済を含む)、申請手続き、不服申し立て制度、等の労
  災関連法規を記載すること

<原発労災の資料の公開について>
一、原発労災の審査過程と関連資料を公開すること
 ・今年度顕著になった電離放射線業務の「業務上外検討会開催要項」の不透明化を撤回し、検討課題
  を具体的に提示すること
 ・労災申請者の申し立てが検討会でどのように取り上げられたかを本人に開示すること
 ・原発労災の申請・認定状況等の公開

<労働環境の改善等について>
一、労働環境の改善、被曝線量の低減を指導すること
 ・放射線業務の作業計画をあらかじめ点検すること。作業環境から「管理されない被曝」の危険が高い
  場合には、計画の修正を求めること
 ・作業実施結果の提出を求め、労働者の被曝線量が、あらゆる1年で20ミリシーベルトを超えるおそ
  れがある場合、又「管理されない被曝」があったと判断される場合は、特別な指導をすること
 ・さらに低い被曝線量についても被曝低減に向けて指導すること

<長尾裁判について>
一、長尾さんの原子力損害賠償裁判で、「被告東電の主張は否定しない立場」の国の補助参加をとりやめ
  ること

<JCO臨界事故被害者の救済について>
一、健康管理検討委員会の50ミリシーベルト以下なら健康影響は検出されないとする見解を撤回するこ
  と
一、住民健康診断を長期に継続し、健診内容を充実し、精密検査の費用を公費負担すること
一、事故後から長期通院状態になっている住民の医療費を補償すること
一、被災住民に健康管理手帳を発行すること
一、JCO従業員その他被曝作業従事者、避難等に係った自治体職員に健康管理手帳を発行し、健康管理
  体制を整えること
以上