引き続き、国の責任による、窓口負担の解消・生涯無料化・手帳交付、近隣県での甲状腺検査の支援と拡大などの課題に取り組んでいきます。
国の責任で、福島原発事故に係わる甲状腺医療費を保障せよ
19歳以上の甲状腺医療費の自己負担問題・・・県民健康管理調査の甲状腺検査
福島県の県民健康管理調査による先行調査では、甲状腺2次検査の結果、2014年12月31日現在、1,329名が「通常診療等」で精査または経過観察となっています。そのうち細胞診受診者は523人で悪性または悪性疑いは110人(うち手術した人は87人で、良性結節1、乳頭ガン83、低分化ガンの疑い3)となっています。
本格検査は始まったばかりですが 、168名が「通常診療等」で精査または経過観察で、そのうち細胞診受診者は22人で悪性または悪性疑いは8人(うち手術した人は1人、乳頭ガン1)となっています。
県民健康調査の甲状腺検査の結果から(2014年12月31日現在)
|
通常診療等 |
うち、細胞診受診者 |
うち、悪性ないし悪性疑い |
うち、手術 |
先行調査 |
1,329人 |
523人 |
110人 |
87人 |
本格調査 |
168人 |
22人 |
8人 |
1人 |
政府は、県民健康管理調査の甲状腺2次検査の結果は福島原発事故によらない「ベースライン」であるという見解です。
しかし、事故によって放射性ヨウ素が放出され、それを子供が吸入・摂取しており、個々人の甲状腺被曝線量を正確に推計できない以上、甲状腺におきているさまざまな症状・所見が福島原発事故のせいでないとは断言できません。
また、原発事故がなければ、38万人もの子供たち全員が甲状腺検査を受ける必要もなく、これだけ多くの子供たちが経過観察や治療が必要との診断を受けることもなかったのです。
2次検査の範疇の細胞診などの検査療費は県民健康管理調査の費用で支援されますが、通常の保険診療に移行して検査や治療を受ける場合の費用は保険診療扱いとなります。
甲状腺手術の費用および今後長期間の診療や薬の費用は県民健康管理調査の支援対象外で保険診療扱いとなります。
甲状腺を全摘した場合には、生涯にわたって甲状腺ホルモン剤を服用しなければなりません。
これらの保険診療の医療費については、すでに19歳以上になっている福島県住民は福島県の「子育て支援」による医療費支援の対象外で、個人負担せざるを得ない事態が生じています。
今後、事故当時18歳以下であった子ども達が成長するにつれ、自己負担となる人は増えて行きます。
国策として原子力を推進してきた結果として炉心溶融事故を起こし、放射能の大量放出を防げず、的確な情報提供を行わず、ずさんな避難指示により、人々を被ばくさせた責任、避けられたはずの被曝を避けるよう指示しなかった責任、事故後早期に甲状腺被曝量を測定・評価しなかった国の責任は重大です。
国の責任で早急に、福島県の19歳以上の甲状腺に係る医療費を無料化すべきです。
脱原発福島県民会議、双葉地方原発反対同盟、原水爆禁止日本国民会議、原子力資料情報室、全国被爆二世団体連絡協議会、反原子力茨城共同行動、原発はごめんだ!ヒロシマ市民の会、ヒバク反対キャンペーンは、「国の責任で福島県の19歳以上の甲状腺に係る医療費の無料化を求める要請書」を提出し、要請書への賛同署名を呼びかけています。
皆様のご協力をお願いします。
☆ 署名用紙その他のダウンロード ☆
要請書(2014年6月10日提出済み) (注)要請書脚注の修正(2015年2月16日)
賛同署名用紙(2015年3月31日集約用)
賛同呼びかけ(2015年3月31日集約用)
リーフレット(2015年2月18日改定)