「戦争の素顔」スピーキングツアー
証言 戦争とテロリズムがどのように人生を変えてしまうのか  SPAN報告記事(5)

ロングアイランド大学の学生記者イサック・ジェイムズ・ベーカーの報告(3)

「9.11平和な明日を求める家族達」のバレリ・ルツニコフスカの発言

集会では「9.11平和な明日を求める家族達」(Families for Peaceful Tomorrows)のバレリ・ルツニコフスカも発言した。

 Peaceful Tomorrowsはマーティン・ルーサ・キングの言葉「戦争は、平和な未来を彫り出すのに優れたノミではない」からつけたそうだ。この団体に参加する100人のメンバーは、全て9.11の悲劇で家族を失ったが、ルツニコフスカさんが述べたように「悲しみを戦争や報復への呼びかけに利用されることを望んではいない。」

 ルツニコフスカさんは、あふれる涙を押さえながら、自分の甥が9.11の世界貿易センターの攻撃で亡くなった様子を語った。
 「(戦争やテロは)破壊の顔です。」と、彼女は言った。そして、山科さんの方を向いて「これは復讐の顔なんです。これが暴力の悪循環なのです。そのことが解りさえすれば、だれも戦争なんか望まないですのにね。」と、語りかけた。

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 集会を終え、山科さんは通訳に助けられながら、折り鶴をテーブルから片付けておられた。山科さんはこれらの大切な家族の形見とともに、ロングアイランド、ニュージャージー、ワシントンDCへと、ツアーを続け、日本に帰国される。
 日本でも、山科さんは学校を訪問し、自分の経験を語り、子供達とともに平和を願う活動をされている。

 「私が学生や生徒達に話をするのは、またその子達が自分の子供達に、戦争をやっちゃいけない、平和な世界をつくらなければと、語り継いでくれると思うからです。」と、山科さんはおっしゃった。

イサック・ジェイムズ・ベーカー

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