申入書     質問書

喜友名正さんの悪性リンパ腫労災認定にかかわる 厚生労働省への新たな申し入れ

11月17日 厚生労働省への新たな9項目の申し入れについて、交渉を行いました。
今回の申し入れは、喜友名労災の取り組みの中で示された課題を厚生労働省に問題点を投げかけ、その実現に向けて取り組むための第一歩です。今後、追及の論点を整理して、交渉を重ねたいと考えています。
厚生労働省の出席者は補償課職業病認定対策室の辻係長と労働衛生課の堀内係長の2名でした。
福島みずほ参議院議員が、会議の合間をぬって、参加されました。
冒頭に、914筆の追加署名を提出し、累計15万7635筆となりました。

申し入れ事項

1.喜友名さんの悪性リンパ腫労災認定とその経過を各地の労働局・労基署に伝えること。
その際、①2004年の長尾光明さんの多発性骨髄腫に続き、白血病類縁疾患の悪性リンパ腫を労災認定したこと、②労基署はりん伺せずに不支給決定したが、不服申し立ての中で支援者から問題を指摘され、本省協議(5回の検討会)を経て「自庁取り消し」となったこと、を明示すること。
2.原発被曝被曝労働者の労災申請に対して、今回のような労基署の独善的な扱いが繰り返されないよう通知・徹底すること。
3.今回の「りん伺なしの不支給決定」が行われた経過とその責任を明らかにすること。
4.申請から3年、審査請求から2年、多大な心労と労力に対して当事者に謝罪すること。
5.原発被曝労働者の実態を把握し、労災申請に親身に応じる等、申請が行いやすい環境を整えること。
6. 喜友名さんの過酷な被曝労働の実態およびそれがもたらされた原因を明らかにし、原発被曝労働者の健康被害を防ぐための措置をとるよう事業者に指示すること。
7.認定基準の例示疾患に白血病類縁疾患を追加すること。
8.離職者に健康管理手帳を発行し、無償の健康診断など、健康管理を行うこと。
9.検討会の検討経過と検討内容を公開すること。

申し入れ事項に対する主な回答

申請から3年、審査請求から2年を要した。多大な心労と労力について遺族へ謝罪すること
回答:悪性リンパ腫の前例がなかったので苦慮した点は理解してほしい。
   悪性リンパ腫は、基発810号では造血器障害と読む。
   りん伺(資料を提出して本省に判断を仰ぐこと)しなければならなかった。
   りん伺がなかったことは申し訳ない。
質問:淀川労基署に謝罪を要求したらPushしてもらえるか
回答:このように説明したと労基署に言ってほしい
白血病類縁疾患が労災認定されたこと、今回のような杜撰な対応が繰り返されないよう周知徹底すること
回答:すでに2月の労基局全国会議で指摘している。
次の全国会議(来年2月頃)で白血病類縁疾患が労災認定されたことを報告し、今回のようなことが繰り返されないよう注意を喚起する。
原発被曝労働者の実情を把握し、労災申請しやすい労基署の環境を作ること
追加質問:白血病及びその類縁疾患・悪性腫瘍の申請を呼びかけるよう全国の労基署に指導してほしい。
回答:懇切丁寧な対応に務めるというだけで、具体的な回答は得られませんでした。
過酷な被曝労働の実態調査と原因解明を行い、労働者の安全を守る措置を事業者に指示すること
回答:被曝線量の低減に努めることが重要
質問:現場調査に入ったのか。喜友名さんの過酷な被曝労働から具体的にどのようなことを学んだのか。
   具体的な回答なし。
認定基準の対象疾病の例示リストに白血病類縁疾患を追加すること
回答:今年度内に35条検討会を開催する。
   厚労省は福島議員同席の場で重ねて約束しました。この件は厚生労働委員会で取り上げられる予定です。
離職時に健康管理手帳を交付すること
回答:線量限度を守っているので、大きな被害は出ない。手帳は必要ない。
   回答は、4月に変わった新しい担当者が、北川れん子議員の質問主意書に対する答弁書を読み上げたにすぎません。
   線量限度を守っていても次々と被害が出ているではないか、現れているのは氷山の一角にすぎない、総被ばく線量は3000人・シーベルトで少なくともガン・白血病死だけでも300人規模と推定される、と新しい担当者に問題提起しました。

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