対馬市長が市議会で受け入れない意向を表明

 比田勝津島市長は2023年9月27日の最終日市議会で、高レベル放射性廃棄物最終処分場の候補地選定に向けた文献調査について、受け入れない意向を表明しました。
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 以下、「長崎 NEWS WEB 『核のごみ』“処分地調査受け入れず” 対馬市長が表明 09月27日 17時58分」から抜粋。
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 文献調査に応じるかどうかは最終的に市長が決めることになっていますが、比田勝市長は、27日最終日を迎えた市議会で「議会の採択を重く受け止めながらも市民・対馬市の将来に向けて熟慮した結果、『文献調査』を受け入れないとの判断に至りました」と述べて、調査を受け入れないことを表明しました。

 理由について比田勝市長は、受け入れの是非をめぐってそれぞれの主張による市民の分断が起こっていて、合意形成が不十分なことや、市役所などに寄せられる意見を踏まえると風評被害は少なからず発生すると考えられ、特に観光業は韓国人観光客の減少など大きな影響を受けるおそれがあることなどを挙げました。
 その上で、「双方とも対馬市の将来を考えての議論であったと思う。私としてはこの見解をもってこの案件に終止符を打ちたい」と述べ、「核のごみ」をめぐって意見が分かれた市民が一体となるような施策を講じていく考えを示しました。
 「核のごみ」の処分地選定に向けた調査は、北海道の2つの自治体で3年前から全国で初めて実施されていて、現在、「文献調査」の報告書を取りまとめる作業が行われています。
 ただ、北海道のほかに調査を受け入れる自治体がない中、地元からは、「なし崩し的に処分地に決まってしまう」という懸念などから、調査を全国に拡大するよう求める声があがっていて、対馬市が受け入れないとしたことによる今後の処分地選定への影響が注目されます。
【対馬市長 会見で「丁寧に説明し理解を求めていきたい」】
 比田勝市長は、市議会の閉会後、対馬市役所で記者会見を開きました。

 この中で比田勝市長は、今回、議会の採決と自身の判断がねじれたことについて「対馬市で生活する市民や対馬で育つ子どもたちの将来を考えたうえで議会に反する結果となった。今後、議会には丁寧に説明をした中で理解を求めていきたい」と述べました。

 そのうえで「受け入れないという表明を持って終止符を打ちたいと思っている。これ以上、市民の分断を深めたくない。いま現在、名案を持ち合わせていないが、この分断を収めたいという気持ちを強く持っている」と述べて今後、改善に取り組む考えを示しました。

【大石知事コメント 「対馬市の判断を尊重したい」】
 対馬市の比田勝市長が「文献調査」を受け入れない意向を表明したことについて、長崎県の大石賢吾知事は、「今回の判断は、様々な立場の方々のご意見を踏まえながら、熟慮を重ねて行われたものと認識しており、県としても、対馬市の判断を尊重したいと考えている」とコメントを出しました。

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