2022年4月10日、脱原発福島県民会議など8団体が見直し撤回、継続を求めて政府交渉
交渉では主に下記の2点が争点となりました。
(ⅰ)2011年5月の当面の取り組み方針において、「原子力政策は、資源の乏しい我が国が国策として進めてきたものであり、今回の原子力事故による被災者の皆さんは、いわば国策による被害者です。復興までの道のりが仮に長いものであったとしても、最後の最後まで、国が前面に立ち責任を持って対応してまいります。」とされていることを、復興庁、厚労省ともに確認させました。
2020年の2度の交渉でこの件は内閣府の所管であると逃げられていたので、今回の確認を今後の交渉等に生かします。
(ⅱ)「見直し方針」の具体化である「見直し内容の決定」については、非公開で、首長のみに意見を聞き、一番の当事者である住民の声や議会の意見書(楢葉、浪江)、双葉町村会の要請(2021年12月2日)等が何ら反映されていないことを追及しました。
2020年10月5日の8団体との政府交渉で、「これまでやってきた通り住民や自治体の声を聴きながら進める」と約束しておきながらそれに違反している、住民無視は民主主義とは言えない、と追及し、復興庁は「住民の声を聴くことができなかった」と認めました。
医療費等無料化は国策の被害者である住民の権利であり国の責任だ、継続せよ、との追及に、復興庁は「普通の災害では1年のところ特別に12年間やってきた」と開き直りました。つい先ほど確認した「最後の最後まで対応」はもう忘れたのかと耳を疑いました。原子力災害であり放射線被ばくの影響は年数を経て発症することや発症の危険が生涯に及ぶとの指摘に、被爆者援護法の所管である厚労省も含め、無言でした。
国が被害者支援を次々に打ち切ってきた状況で、国の見直し方針を撤回させ「命綱」である医療費等減免措置を継続させるには、それが原発を推進してきた国策の被害者の当然の権利であり、補償することは国の責務であると政府を追及し、それを支援する全国的な取り組みが必要です。
被害者は避難指示地域住民にとどまりません。避難指示の有無による分断を許さず、対象地域を拡大させましょう