見直し撤回、継続を求める政府交渉(2020年10月、12月)
2020年10、12月、脱原発福島県民会議など8団体が医療費等無料化継続の政府交渉
「見直し撤回、継続を求める」団体署名(最終的に161団体の賛同)を提出し、原子力政策を推進した結果の福島原発重大事故を招き住民を被ばくさせた国の責任において、見直しを撤回し無料化措置を継続し、対象地域を拡大することを求めました。
回答
見直しの方針に沿って進めていくとの基本姿勢を表明し、国の支援がゼロではなく80%になるので、無料化措置の継続は可能とする回答でした。
継続問題よりも、地域医療の整備を進め住民の健康保持に努めるとの説明に重点がありました。
交渉での追及と回答
・2011年5月の当面の取り組み方針において、「原子力政策は、資源の乏しい我が国が国策として進めてきたものであり、今回の原子力事故による被災者の皆さんは、いわば国策による被害者です。復興までの道のりが仮に長いものであったとしても、最後の最後まで、国が前面に立ち責任を持って対応してまいります。」とされており、無料化は国の責務だと追及しました。
「原子力政策は管轄外」と国の責任について回答しませんでした。
現地の住民から、無料化はとても大切なことで、継続してもらいたいとの要望の発言がありました。
浪江町で健康手帳発行と国に法整備を求めたに故馬場町長の下で関わってきた紺野さんが医療費無料化は生きる希望を与える担保となるものだと継続の必要を力説しました。
医療施設が整備されても医療費が払えなければ健康に直結しないと指摘し、重ねて無料化措置の継続を要求しました。
・医療費等無料化措置は復興庁の事業レビューで「ニーズを反映したもの」、「国の財政支援は当然」とされており、やめる理由がないと追及しました。
政府の打ち切り施策に言及せず、これまでも「高位所得者に対する措置の見直し」など見直しは行っているとの回答以上は言及しませんでした。
・国の支援が80%になった場合の被災3県の状況を見ると、国の支援が80%になれば避難指示地域でも継続は困難と考えざるを得ない」と反論しました
(注)宮城県では国の支援が80%になり、一部の市町村では継続を求める強い声により続けられたが次第に減少し、ほとんどなくなっている。岩手県では打ち切りに対して住民の強い反対があり今まで継続されている。福島県では2011年9月に避難指示地域以外は撤廃された。)
・通達で一方的に実施するのか、住民の声を聴いて判断するのか
これまでやってきた通り住民や自治体の声を聴きながら進める。