「東海村と広島・長崎を結んで ヒバクを許さないつどい」(2000年8月)
集会報告、 アピール、 特別決議
集会報告
被爆55周年原水爆禁止世界大会の関連企画として、8月5日、広島で、「東海村と広島・長崎を結んでヒバクを許さないつどい」が開催され、80名が参加し、3時間にわたって報告と討論を行いました。
基調報告に加え、ヒバクを許さない様々な運動に取り組んでいる団体・個人から8つの報告がなされ、内容の濃い集会となりました。 時間不足で討論が不十分であったことは反省として次に生かしていきたいと思います。
9月15日に「報告集」を発行する予定です。「報告集」には、集会参加者で発言ができなかった人の意見も多数盛り込みます。
集会主催者:原子力資料情報室/原発はごめんだヒロシマ市民の会/脱原発とうかい塾/「チェルノブイリ被害調査・救援」女性ネットワーク/チェルノブイリ・ヒバクシャ救援・関西/反原子力茨城共同行動/ヒバク反対キャンペーン/非暴力サークル自立FAX通信/福島県双葉地方原発反対同盟/臨界事故被害者の会/若狭連帯行動ネットワーク
司会:頼秀文(広島)、定森和枝(大阪)
(1) 主催者の挨拶、司会紹介
(2) JCO事故による健康被害の補償を求めて 大泉昭一....臨界事故被害者の会
(3) JCO事故の幕引きを許さない取り組み 根本がん....反原子力茨城共同行動
(4) 原爆被爆者の援護問題から見たJCO事故 (広島、個人)
(5) インドパキスタンに核実験中止を訴えて 武田靖彦....ヒロシマ被爆者
(6) 在外被爆者への援護法適用と被爆二世の健康補償 岸本伸三....全国原爆被爆者二世教職員の会
(7) 被曝労働の労災認定と健康管理手帳 林正治....福島県双葉地方原発反対同盟
(8) 労働者被曝に関する労働省交渉の報告 長田浩明....原子力行政を問い直す宗教者の会
(9) JCO事故の健康影響について 村田三郎....阪南中央病院
(10) 基調報告 建部暹....ヒバク反対キャンペーン
(11) 討論
(12) アピール、特別決議の採択
集会アピール
「国はJCO事故の責任を認め、住民・労働者の健康被害を補償せよ」の(署名)を全国に広げよう!
昨年9月30日に発生したJCO臨界事故は、急性放射線障害により2名の尊い命を奪い、多数の住民・労働者を被曝させました。原子力を国策として推進してきた国の責任は明らかにされていません。「安全の確保を旨とする」原子力政策が破綻したことを認めざるを得なくなった国は、「安全神話」を放棄し、「絶対安全」から「リスクを基準とする安全評価」へと転換し、「安全のコスト」と「命のコスト」を天秤にかけようとしています。国は、被曝の被害については「統計的に被害が検出されるほどの被曝線量ではない」として切り捨て、安心のための健康相談・検診のみ行い、健康補償の必要は認めていません。国は異常な早さで事故の幕引きを行おうとしています。それは新たな重大事故を用意するものです。
原爆投下55周年の前日広島で開かれた「東海村と広島・長崎をむすんでヒバクを許さないつどい」に我々多様な反核勢力が結集しました。JCO事故の被曝による健康補償を要求する運動、全国各地で闘われている脱原発や反核平和を求める運動、原発労働者などさまざまなヒバクシャの補償を求める運動、在外被爆者への援護法適用を要求する運動、被爆二世の補償を求める運動などに取り組んでいる人々が、討議を通じて、互いの運動に学び、共に支え合うことを確認しました。
私達は、ヒバクがもたらす健康への影響と子々孫々にまで受け継がれざるを得ないヒバクの傷跡に対する不安、ヒバクを強要しまたは容認した者への憤り、健康や生活上の被害への切実な補償要求、ヒバクシャに対する差別を許さない、ヒバクシャのこれらの思いを共有し、これ以上のヒバクを許さない運動の新たな出発点とします。
広島・長崎の核被害と同様に、JCO事故を風化させてはなりません。JCO事故で突きつけられた核の危険性を風化させてはなりません。核ヒバクを許さない声を署名に結集して国にぶっつけましょう。
1、JCO事故に対する国の責任を追及し、健康手帳制度の確立など、国に被害者の健康を補償させ、事故の責任を明確にとらせましょう。
2、原発など核施設労働者の被曝の切り捨てを許さず、健康管理手帳を要求しましょう。
3、ノーモアヒバクシャを合い言葉に、ヒバクをもたらすあらゆる核に反対し、核のない21世紀を目指しましょう。
4、署名運動を通じて、国の事故責任を追及し脱原発を含む原子力推進策の根本的見直しを国に迫る世論を形成し、脱原発の動きを加速しよう。
5、「臨界事故を繰り返さない行動週間」(9/24-9/30)に、ノーモアトウカイをかかげ、全国で署名活動をはじめヒバクを繰り返さないための諸行動を繰り広げましょう。9月30日を「原子力安全の日」とする動きが伝えられていることに対して批判しましょう。
6、JCO事故の幕引きを完了させる東海再処理施設の運転再開に反対します。同時に、「ふげん」を即時廃炉に、「もんじゅ」を永久凍結に、青森県六ケ所村の核燃再処理施設の即時工事停止を要求します。
7、JCO事故に関するあらゆる情報の公開を要求します。
以上、これらの切実な声を背景とした署名運動を全国津々浦々に広げ、徹底した対政府行動を積み上げて要求を実現しよう。
2000年8月5日
被爆55周年原水爆禁止世界大会 関連企画
「東海村と広島・長崎をむすんでヒバクを許さないつどい」参加者一同
連絡先
東日本 反原子力茨城共同行動
〒310-0911水戸市見和2-255-5-103 根本がん方 Tel/Fax
029-253-1433
西日本 ヒバク反対キャンペーン 署名担当
〒666-0115 川西市向陽台1-2-15 建部暹 Tel/Fax 0727-92-4628
集会決議
東海再処理施設の運転再開に抗議する
3年前、東海再処理施設のアスファルト固化処理施設で、火災爆発事故が引き起こされ37名の労働者が被曝した。
その後政府は事故調査委員会を設け事故原因の究明に当たったが原因を明らかにしないまま時効を迎えた。動燃は核燃料サイクル開発機構と名称を変え、企業の存続を図ったが、旧動燃の事故隠し、ウソ報告体質はそのまま温存した。
そうした中でJCO事故が起こり、旧動燃の責任が問われているにも関わらず、依然として頬かむりをしている。
そればかりか、事故原因を究明するために停止している再処理施設の運転再開を前提とした定期検査に名を借りて使用前検査を行い、7月27日、科技庁からお墨付きを受けた。このことは、いつでも運転再開をするぞ、という周辺住民に対する無言の圧力をかけてきたものと私たちは受け止めざ るを得ない。しかもJCO臨界事故1周年になろうという時期に東海再処理施設の運転再開を強行しようとしている。
私たちはこの運転再開に対し、心底からの怒りをもって抗議する。以下の点を抗議し、取り組もう!
1.核燃に対する抗議を集中しよう。
2.核燃前での座り込み抗議をしよう。
3.運転再開抗議の署名活動をしよう。
4.東海村、茨城県への運転再開反対の申し入れを行おう。
5.JCOに対する核燃サイクル開発機構の責任の明確化を要求しよう。
2000年8月5日
被爆55周年原水爆禁止世界大会 関連企画
「東海村と広島・長崎をむすんで ヒバクを許さないつどい」参加者一同