重大事故を前提にした原発維持のための、労働者を犠牲にする

  「緊急時被ばく限度の引き上げ」反対の声を政府に集中し、

  再稼働反対と結んで「引き上げの検討」を中止させましょう



7月以降も署名の拡大を 2015年6月30日署名提出報告

* 第3次集約8月末、第4次集約10月末、その後も継続します(施行予定は来年4月1日)
ダウンロード 署名用紙(表) 署名用紙(裏)  署名運動の呼び掛け5月27日版 7月18日版
今後、放射線審議会に諮られるなど手続きは残っていますが、事態は急迫しています。
原発再稼働反対と結合して全国署名を広げ、法令改定作業の中止を迫りましょう!


* 6月30日、署名4322筆提出・111団体連名で申し入れ・第2回政府交渉の報告
        第2回政府交渉質問書   追加質問・資料   申し入れ(再提出)
        愛媛からの申し入れ    福井からの申し入れ    川内からの申し入れ
1.署名・メッセージの提出
冒頭に署名・メッセージを提出する予定でしたが、残念ながら、「新幹線事故」の影響で交渉の場では提出できませんでした。
署名4322筆は2分し、福島事務所を通じ、規制庁と厚労省に提出しました。
川内、愛媛、福井からのメッセージ(申し入れ)は説明文書を同封し郵送しました。
2.交渉の狙い
交渉の狙いを次の3点として、交渉に臨みました。
①イリジウム事故被ばく者に250mSv以下で骨髄低形成が生じたことを認めさせる。
②重篤・永続的でない急性障害は無視できるとして労働者に急性障害を及ぼす250ミリシーベルトへの引き上げが労働者保護の労働安全衛生法において認められる法的根拠を問いただす。
③現地からの発言、メッセージ(申し入れ)など先頭に、再稼動すべきでないと追及する。
3.交渉の結果
以下に、交渉結果を要約します。
①厚労省は、イリジウム事故被ばく者に骨髄低形成が見られたとの論文所見は認めたが、生物学的線量評価の信頼性が低いと主張し続け、250mSv以下の被ばくでそれが生じたとは認めず。
②厚労省は、重篤・永続的でない急性障害は無視できるとして緊急時被ばく限度を250ミリシーベルトに引き上げることが労働安全衛生法の「労働者保護」に反することに関する質問には具体的に回答しなかった。労働災害が許容されると労働安全衛生法のどこに例外規定が書いてあるのか、と追及したがそれにも回答できなかった。
③「緊急時被ばく限度を引き上げざるを得ない再稼動はすべきでないと表明せよ」に趣旨は承るとのみ回答。
④原子力規制庁は、万々が一にも重大事故が起きてはならないとの私たちの見解には同意した。
緊急時被ばく限度の引き上げを行おうとしているのは重大事故が否定できないからではないのか、緊急時被ばく限度を引き上げて労働者を突入させることが必要な運転はみとめないとすべきと追及したが、それに正面から答えず、新規制基準で重大事故が起きたときにも対応できるとして運転を許可しているがそこでやめてしまうのではなく250ミリシーベルトに引き上げると繰り返した。
前回6月9日は、「万々が一に備えて」と事故が起こりうる(あるいは否定できない)という趣旨の説明を繰り返したが、それに対して今回の質問書の中で、「重大事故を前提とする原発再稼働に多くの国民が反対していることを無視したもので強く抗議」したので、ごまかしの表現に転換した。
⑤原子力規制庁は、福島第一原発でも今後、重大事故は否定できないとの見解を示した。
⑥規制庁、「福島原発緊急作業大量被ばく労働者に被ばく労働以外の職場・生活を」に直接回答なし。
⑦エネ庁は前回の欠席に続き、今回も欠席。(理由等不明な点もある)
4.実質未回答の項目について
規制庁、厚労省に文書回答を求めます。また、メッセージ(申し入れ)へのコメントを求めます。相談センターの要求については、資源エネルギー庁に文書回答を求めます。

*緊急時作業被ばく限度引き上げ中止と原発再稼働中止を求める緊急申し入れ
2015年6月9日(2015年6月30日再提出)
原子力規制委員長 田中俊一 様
厚生労働大臣   塩崎恭久 様
政府は、「国策として原発を推進し福島原発事故を招いた責任」を省みず、重大事故が起きることを前提に原発の再稼動を進めようとしています。
川内原発1・2号機の審査書(案)作成後の昨年7月30日、田中俊一原子力規制委員長は突然、「現在、緊急作業時の被ばく線量限度を100 ミリシーベルトとして規制を行っているが、それを超えるような事故が起こる可能性を完全に否定することはできない」と被ばく限度引き上げをはじめ緊急時作業に関する「見直し・検討」を提案しました。厚生労働省は5月15日から、原子力規制委員会は5月21日から、「緊急時に被ばく限度を250ミリシーベルトに引き上げるための法令改定案」のパブコメを開始し、原発再稼働を見込んで事態は急展開しています。
原発重大事故が起きれば、通常作業とはけた違いの被ばくが強要されます。緊急時作業被ばく限度の250ミリシーベルトへの引き上げは労働者の安全と健康を一層危険にさらします。原発労働者は「重大事故を前提とする原発再稼働・原発維持の犠牲」に供されようとしています。これは労働者の人権蹂躙であり、労働安全衛生法の労働者保護の法体系を破壊するものです。原発を再稼働しなければ、「重大事故による破滅的な状況の回避のために高線量被ばくが必要になる」ことなどありません。
厚生労働省の検討会報告書では、福島原発事故の緊急作業で大量被ばくしその後通常被ばく業務から離れている労働者について、2016年4月から通常被ばく業務従事を認め、合計して生涯1000ミリシーベルトを超えないよう被ばく管理するとしています。大量被ばくした労働者に更なる被ばくを強要するのではなく、被ばく労働以外の職場・生活を保障すべきです。
現在、福島原発では毎日7000人もの労働者が動員され被ばくが増え続けています。作業の安全確保、被ばく低減、健康管理・生活保障、雇用条件の監視・是正指導を行うべきです。

申し入れ事項
1.緊急時被ばく限度を引き上げないこと。関連する法令改定作業を中止すること。
2.緊急時被ばくと通常被ばくによる、生涯1000ミリシーベルト容認を撤回すること。
福島原発事故の緊急時作業で大量被ばくした労働者に被ばく労働以外の職場・生活を保障すること。
3.福島原発被ばく労働者の作業の安全確保、被ばく低減、健康管理・生活保障、雇用条件監視・是正指導を行うこと。
4.原発を再稼働しないこと。再稼働認可を撤回し、適合性審査を中止すること。

以上

申し入れ団体(6月30日現在、111団体)
【青森2】核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団、日本基督教団核問題連絡会
【福島4】双葉地方原発反対同盟、フクシマ原発労働者相談センター、きらり健康生活協同組合、風下の会 福島
【茨城3】反原子力茨城共同行動、脱原発とうかい塾、放射能から市民を守る会(高萩)
【千葉1】「チェルノブイリ被害調査・救援」女性ネットワーク
【東京13】原水爆禁止日本国民会議、原子力資料情報室、I女性会議、日本消費者連盟反原発部会、日本キリスト教婦人矯風会、ふぇみん婦人民主クラブ、原発を考える品川の女たち、緑の党グリーンズジャパン、東京労働安全衛生センター、脱原発をめざす女たちの会、日本キリスト教協議会「平和・核問題委員会」、東京一般労働組合東京音楽大学分会、さよなら原発品川アクション
【神奈川2】神奈川労災職業病センター、子どもの未来を望み見る会
【新潟1】脱原発をめざす新潟市民フォーラム
【静岡1】浜岡原発を考える静岡ネットワーク
【愛知3】核のごみキャンペーン・中部、未来につなげる・東海ネット、(特活)チェルノブイリ救援・中部
【岐阜2】放射能のゴミはいらない!市民ネット・岐阜、平和・人権・環境を守る岐阜県市民の声
【三重1】原発おことわり三重の会
【福井4】森と暮らすどんぐり倶楽部、原発設置反対小浜市民の会、サヨナラ原発福井ネットワーク、原子力発電に反対する福井県民会議
【滋賀2】さいなら原発・びわこネットワーク、反戦老人クラブ滋賀
【京都3】京都原発研究会、若狭の原発を考える会、アジェンダ・プロジェクト
【奈良5】反原発奈良教職員の会、奈良脱原発ネット、さよなら原発「北葛の会」、I女性会議なら、「大峰山女人禁制」の開放を求める会
【和歌山1】脱原発わかやま
【大阪26】ヒバク反対キャンペーン、若狭連帯行動ネットワーク、チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西、ストップ・ザ・もんじゅ、原発ゼロ上牧行動、ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン、平和と民主主義を目指す全国交歓会、リニア市民ネット、さよなら原発箕面市民の会、市民の広場、原発やめよう/つながろう関西・マダム会議、地球救出アクション97、国際女性年連帯委員会、全日本港湾労働組合関西地方大阪支部、どこまでも9条の会、こども脱ひばく裁判を支える会・西日本、脱原発高槻アクション、環境フォーラム市民の会(豊中)、日本消費者連盟関西グループ、科学技術問題研究会、とめよう原発!!関西ネットワーク、STOP原子力★関電包囲行動、大阪東南フォーラム平和・人権・環境、東南反核フェス実行委員会、劣化ウラン兵器禁止条約実現キャンペーン、NPO法人 安全な食べものネットワーク オルター
【兵庫15】原子力行政を問う宗教者の会、さいなら原発尼崎住民の会、原発の危険性を考える宝塚の会、自治労兵庫県本部、さよなら原発神戸アクション、さよならウラン連絡会、鈴蘭台食品公害セミナー、心といのちをはぐくむ会、安全食品連絡会(兵庫県)、現代を問う会、神戸学生青年センター、阪神社会運動センター、再稼働反対・ぺんぎんぺり館とおともだち、播磨灘を守る会、神戸YWCA被災者支援プロジェクト
【鳥取1】えねみら・とっとり(エネルギーの未来を考える会)
【島根2】島根原発増設反対運動、人権パッチギの会 松江
【広島4】全国被爆2世団体連絡協議会、原発はごめんだヒロシマ市民の会、上関原発止めよう!広島ネットワーク、ボイス・オブ・ヒロシマ
【山口5】原発いらん!山口ネットワーク、山口被爆二世の会、原発いらん!下関の会、いのち・未来うべ、全国一般労働組合全国協議会山口連帯労働組合
【愛媛1】原発さよなら四国ネットワーク
【福岡1】核・ウラン兵器廃絶キャンペーン福岡
【大分1】脱原発大分ネットワーク
【長崎1】長崎県被爆二世の会、原発なしで暮らしたい・長崎の会
【鹿児島5】川内原発建設反対連絡協議会、川内つゆくさ会、まちづくり県民会議、かごしま反原発連合、I女性会議鹿児島本部
個人賛同(6月30現在、4322筆)
ヒバク反対キャンペーン|緊急時作業被ばく限度引上げ反対|再稼働反対と結んで



 重大事故を前提にした原発再稼働・原発維持のための、労働者と

 住民を犠牲にする「緊急時作業被ばく限度の引き上げ」反対の声

 を政府に集中し、再稼働反対と結んで引き上げの法令改定を中止

 させましょう



7月23日の放射線審議会、諮問丸のみで「障害を及ぼすおそれ」精査せず
原子力規制庁、「運用により」250mSvを超えた被ばくも容認を表明

7月23日、「緊急作業時の被ばくに関する規制の改正の諮問について」を議題とする、第130回放射線審議会が開催されました。
* 7月23日の放射線審議会、諮問丸のみで「障害を及ぼすおそれ」精査せず。
放射線審議会が立脚する「放射線障害防止の技術的基準に関する法律」第3条では、「放射線障害の防止に関する技術的基準を策定するに当たっては、放射線を発生する物を取り扱う従業者及び一般国民の受ける放射線の線量をこれらの者に障害を及ぼすおそれのない線量以下とすることをもって、その基本方針としなければならない」とされています。
 250ミリシーベトは原爆の爆心から1.7キロ付近での遮へい無し直接被ばくに相当します。このような大量の放射線被ばくは、下痢、出血斑、脱毛等の急性障害を引き起こし、がん・白血病や晩発性の様々な疾病のリスクを増大させます。この被爆の実相から、250ミリシーベルトへの引き上げが、緊急時作業従事者に障害を及ぼすおそれがあることは明らかです。日本における放射線被ばく被害の原点である原爆被爆の実相を無視した審議に強く抗議します。

*  原子力規制庁、「運用により」250mSvを超えた被ばくも容認を表明
7月23日の放射線審議会で、原子力規制委員会は、250mSvについて、「法令上は限度とするが、参考レベルという考えも考慮して運用する」との方針を示しました。つまり、250mSvをさらに超えて被ばくさせても「運用として容認する」というのです。
250mSvへの引き上げも、250mSvを超える限度の運用も、絶対に許してはなりません。

* 放射線審議会に申し入れました
      放射線審議会への要請書
7月23日、「緊急作業時の被ばくに関する規制の改正の諮問について」を議題とする、第130回放射線審議会が開催されます。7月22日、緊急時作業の被ばく限度引上げ等を認めるべきでない理由を4点にまとめ、審議に反映するよう求めた要請書を提出しました。

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