国の責任で避難指示地域住民の療費保障延長を

国の責任による被害者補償の法制化」を拒否し、災害救助法の枠内で無料化措置
東電福島第一原発事故直後の2011年5月に出された復興基本方針には、「・・・今回の原子力事故による被災者の皆さんは、いわば国策による被害者です。復興までの道のりが仮に長いものであったとしても、最後の最後まで、国が前面に立ち責任を持って対応してまいります。」と明記されています。
2012年6月、浪江町と双葉町が「法的根拠のある健康手帳交付、医療費無料化、手当支給など被爆者なみの法整備」を国に求め、双葉地方町村会は要望書(2013年1月15日)で「生涯にわたる法的措置をとること」を国に求めました。
しかし政府は「国の責任による被害者補償の法制化」を拒否し、災害救助法の枠内で「避難指示地域住民の保険料・医療費一部負担等の無料化措置」を実施してきました。

避難地域住民の保険料医療費等減免措置見直しは被害者支援打ち切り政策の一環
「復興・創生」期間終了後は「無料化見直し」を進めています。
2022年4月8日、政府は医療費等無料化措置の見直し内容を住民の声を聴かず一方的に決定し、各都道府県、関係団体等に通知しました。
2022年度を周知期間とし、2023年度から避難指解除順に、保険料半額、医療費のみ、廃止の順に見直しを進め、各地域とも解除から10年をめどに廃止するとしています。
このまま進めば、2023年春から広野町、楢葉町の一部、南相馬市の一部、川内村の一部、田村市の一部、特定避難勧奨地点で保険料の全額免除が半額負担に変更されます。2023年度予算の要求では関連予算が減額されています。
復興庁の行政事業レビューでは、「ニーズにこたえている」、「国の支出は当然」、「きわめて優先度が高い」と過去も直近も高く評価され、この事業自体からは今回の見直しの必要性は出てきようがありません。見直しは政府が進めてきた一連の被害者支援打ち切り・被害者切り捨て政策の一環であることは明白です。
国の責任を放棄し、住民(被害者)の声を聴かず、被害者の人権を無視し、被害者支援を打ち切る政府に強く抗議します。

2022年度を周知期間とし、2023年度から避難指解除順に、保険料半額、医療費のみ、廃止の順に見直しを進め、各地域とも解除から10年をめどに廃止するとしています。 このまま進めば、2023年春から広野町、楢葉町の一部、南相馬市の一部、川内村の一部、田村市の一部、特定避難勧奨地点で保険料の全額免除が半額負担に変更されます。来年度予算の要求では関連予算が減額されています。 復興庁の行政事業レビューでは、「ニーズにこたえている」、「国の支出は当然」、「きわめて優先度が高い」と過去も直近も高く評価され、この事業自体からは今回の見直しの必要性は出てきようがありません。見直しは政府が進めてきた一連の被害者支援打ち切り・被害者切り捨て政策の一環であることは明白です。 国の責任を放棄し、住民(被害者)の声を聴かず、被害者の人権を無視し、被害者支援を打ち切る政府に強く抗議します。

保険料医療費等減免措置は国策による被害者の権利。生涯補償は国の責務
国が被害者支援を次々に打ち切ってきた状況で、国の見直し方針を撤回させ「命綱」である保険料医療費等減免措置を継続させるには、それが原発を推進してきた国策による被害者の当然の権利であり、生涯補償することは国の責務であると政府を追及し、それを支援する全国的な取り組みが必要です。
被害者は避難指示地域住民にとどまりません。避難指示の有無による分断を許さず、対象地域を拡大させましょう。

無料化措置見直しを阻止し、無料化措置を継続させ、「国の責任による被害者補償の法制化」を求める広範な取り組みが必要です。

「福島原発事故被害から健康と暮しを守る会」の結成
2022年10月1日、福島県双葉町で、「福島原発事故被害から健康と暮しを守る会」の結成総会が行われ、活動の1つとして運動全国署名の取り組みが決定されました。
「『医療・介護保険料及び医療費の減免措置』見直し政府方針撤回と措置継続、国の責任で全ての福島原発事故被害者に『健康手帳』(医療費無料化等)交付を求めます」
参考:避難住民の医療費減免見直しに住民が反対組織設立(朝日新聞2022年10月4日)

見直し手順
 ・初年度  保険料半額免除に移行
 ・次年度  保険料免除なしに移行
 ・次々年度 医療費一部負担の免除無しに移行
2022年度は周知期間
①2023年4月実施開始・・・平成26年までに避難指示区域等の指定が解除された旧避難指示区域等
 ・広野町、楢葉町の一部、南相馬市の一部(旧緊急時避難準備区域)
 ・川内村の一部、田村市(旧緊急時避難準備区域及び旧避難指示解除準備区域)
 ・特定避難勧奨地点
②2024年4月実施開始・・・平成27 年に避難指示区域等の指定が解除された旧避難指示区域等
 ・楢葉町の残り全域(旧避難指示解除準備区域)
③2025年4月実施開始・・・平成28 年に避難指示区域等の指定が解除された旧避難指示区域等
 ・葛尾村の一部、南相馬市の一部(旧避難指示解除準備区域及び旧居住制限区域)
 ・川内村の残り全域(旧居住制限区域)
④2026年4月実施開始・・・平成29 年に避難指示区域等の指定が解除された旧避難指示区域等
 ・飯舘村の一部、浪江町の一部、川俣町、富岡町の一部(旧避難指示解除準備区域及び旧居住制限区域)

厚生労働省令和5年度予算請求
【1】被災者・被災施設の支援
 (1)医療・介護・障害福祉制度における財政支援(復興) 46億円(49億円)
  ・東京電力福島第一原発の事故により設定された帰還困難区域及び上位所得層を除く旧避難指示
   区域等・旧避難指示解除準備区域等の住民について、保険料の免除等の措置を延長する場合に
   は、引き続き保険者等の負担を軽減するための財政支援を行う。
   ① 避難指示区域等での医療保険制度の特別措置 36億円(38億円)
   ② 避難指示区域等での介護保険制度の特別措置 9.8億円(11億円)
   ③ 避難指示区域等での障害福祉制度の特別措置 15百万円(15百万円)
   ※①~③については、被保険者間の公平性を確保するとともに、十分な経過措置を講じる観点
    から、平成29年4月以前に<避難指示区域等の指定が解除された地域を対象として、令和5年
    度から解除時期ごとに段階的な見直しを実施する。
 (2)医療・介護保険料等の収納対策等支援(復興)【新規】 1.0億円
  ・医療・介護保険料等の減免措置の見直しに当たっては、見直しの対象となる住民の不安や疑問へ
   対応するためのコールセンターを設置するとともに、保険者における収納業務等に係る所要の財
   政措置を実施する。

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