帰還困難区域等住民の保険料・医療費一部負担の免除措置継続2020年12月11日政府交渉
(1)要望書の再提出
新たに53団体を追加して要望書を再提出しました。賛同は8団体を含め106団体
要望書のダウンロード ⇒ 106団体連名の要望書(2020年12月11日)
(2)交渉
前回交渉では、質問に対する具体的な回答がなかったので、より具体的に問題点を指摘し再質問しました。
(ⅰ)「見直し」はどのような経緯で出てきたのかと追及し、経緯が改めて明らかになりました。
・自治体からは延長の要望が出ていたし、今も出ている。
・自民党から見直し論が出た。
・復興庁と関係省庁が原案を作成し、有識者会議の論議を経て閣議決定された。
「無料化措置長期継続の取り組み」を自治体も含めて強めていきましょう。
(ⅱ)住民を被ばくさせた政府の責任において、健康保障すべきと追及
回答:「国の責任」問題は内閣府(原子力災害対策本部)の担当であり、復興庁としての見解は差し控える。
(ⅲ)①今も自治体からの強い要望が続いており、見直しはそれに反するものであること、②復興庁の事業レビューでも、「ニーズが大きく、国が負担すべき」と積極的に評価されていること、を指摘し、延長すべきと追及しました。
回答:事業レビューシートの中でも、状況の変化を踏まえて検討するようにと指摘されている。
(ⅳ)避難指示地域以外では2011年8月に国の支援が8割に減らされ、岩手県以外では無料化措置は消滅したという現実を直視すべきだ。
回答:窓口負担の減免措置につきましては市町村の判断で行うことが可能となっております。財政負担が厳しい場合は、全額負担の廃止された市町村におきましても、負担増加分の10分の8を国が支援することになっております。今回の見直しにあたりましては、さきほども述べた通り、当該自治体のご意見をよくお聞きしながら、調整を図りながら検討してまいりたいと思います。
その後明らかになったこと
・2021年3月9日に閣議決定された「『復興・創生期間』後における東日本大震災からの復興の基本方針」で、再び「見直し」が明記されています。下線部が追加されたのみで、交渉で要求したことは反映されていません。
・ 医療・介護保険等の保険料・窓口負担(利用者負担)の減免措置については、東日本大震災発災後、平成 24 年9月末までは地震・津波被災地域を含む被災地全域で減免措置を実施していたが、それ以降は避難指示区域等に居住していた住民に限って、国による特別な減免措置を継続してきた。これらの措置については、避難指示区域等の地方公共団体において住民税減免等の見直しが行われてきていることや、被災地方公共団体の保険財政の状況等も勘案しながら、被保険者間の公平性等の観点から、避難指示解除の状況も踏まえ、適切な周知期間を設けつつ、激変緩和措置を講じながら、適切な見直しを行う。 |
・なお、無料化措置が2021年2月末から更に1年間延長されることが決まり、福島県ホームページ等に公表されています。