ヒバクを許さない集い-Part22(‘23.08.5)報告
北海道、岩手、福島、東京、神奈川、新潟、岐阜、大阪、兵庫、奈良、広島、鳥取、島根、香川、福岡、大分、長崎、熊本から、そして韓国代表など、約70名が参加。
軍拡に反対し核兵器禁止を求める反核・平和運動と、原発への回帰を止める大きな2つの課題についての討論に取り組みました。
短時間でこの大きな二つ課題を議論することは、なかなか難しかったです。
報告1
木原省治さん(広島県原水禁常任幹事)
上関への「中間貯蔵施設」は数年前から問題になっていたが、西町町長の「寝耳に水」発言はうそ!
G7サミットでは、政府の軍拡路線にヒロシマを利用されたと思う。パールハーバー公園と広島公園とは姉妹都市宣言を行なおうとしている。広島は侵略の拠点としてあり、それ故、原爆投下を被ったが、これらに対する日本の国の責任が問われる必要がある。
それが日本政府の核廃絶に向けた、一番の前提と私は考える。
広島に住むものとして、日本の軍拡路線に反対する運動として、被爆者援護法で求めてきた、過去・現在・将来のホショウのうちの将来の保証つくりである「二度と核被害者をつくらせないこと」で、実現させていきたい。
G7広島サミットに怒ることは大切である。そして広島がヒロシマで在り続けるために、皆さんと一緒に考え、実現させるために全力を尽くしていきたい。
報告2
高橋悠太さん(カクワカ共同代表)
G7サミットは核抑止を肯定している。これでは安全は保てない。原爆投下は許せない。何故投下されたか?なぜ戦争を止められなかったか?どの様に世界とつながっていくのか、話し合って行きたい。
私は福山市で2000年に生まれた、現在22歳。いま、カクワカ広島共同代表です。今は東京で主に活動。2022年6月ウィーンでの核兵器禁止条約締約国会議に参加。法的に核兵器を禁止する根拠は、核兵器の非人道性である。日本政府にとって安全保障に資するとは、核廃棄し、それらを検証することです。それは核軍縮を促進し、核使用の歯止めとなります。しかし、法律は万能でない。
核兵器を廃絶することは現在の世界を核兵器ではなく、核兵器を支える不平等社会の課題を解決し、環境汚染、ジェンダー不平等、大量生産・大量消費等を解決し誰にとっても生き易い社会を作り出すことにつながる。
これらに、20代、30代世代が共感する。市民、医者、研究者、多くの人たちの声が尊重される社会です。
*何故私たちが行動するのか?
①3万5千発も核があったことに反感を抱いた。
②核軍縮の議論に若い世代が含まれない違和感。
③自分たちの社会は自分たちで作っていく意思。
社会正義を求め、核の正義を否定する。核の犠牲の非当事者も連帯する、1万2000発もの核は一人残らず犠牲者とする。国会議員に会いに行く活動を通じて、反核運動をより豊かで、より当事者性を拡げて、一緒に考えていく活動を行っている。
新しい活動の立ち上げに今取り組んでいる。「核兵器廃絶クラウドキャンペーン」を配信中です。「核兵器廃絶、日本は今、何をすべきか」を来年4月(2024年4月)に発足させ、2030年までにTPNWに日本政府の批准をめざします。
報告3
末田一秀さん(はんげんぱつ新聞編集長)
GX基本方針が2月10日閣議決定された。新増設は可能か?廃炉を決定した原発の次世代革新炉への建て替えは可能か?今、原発1基あたり1兆円~2兆円。建設・稼働に20年かかる原発は電力会社は不可。
結果、日立、東芝、三菱、下請け会社は原子力事業から撤退。この現実から原発の再稼働、研究開発を生き長らせたいというのがGXの本音。電力会社の要望に基づき、立法事実に基づかない、法改悪し、官邸主導・透明性の欠如、説明責任放棄、国会の機能不全等々…
これらに私たちはどう対処するのか。
・福島事故の教訓に立ち帰る。廃炉作業は何年かかるか不明。
・廃炉ペデスタル(格納容器)はどうか?440ガルの地震で破壊。核燃料プールの底抜け?耐震設計は?
・汚染水問題…この8月が焦点か?漁業者に約束したことを破るのか?これは今後約束は常に破る‼
GXは原発回帰・石炭温存。原発依存であり、再エネ目標が非常に低い。
日本は成長の機会を奪われている!
原発に固執していることが問題なのです。
<会場からの発言>
韓国代表の朴真英(パク・ジニョン)さん
脱核活動の運動について報告。ウルサンでの58市民団体の運動。ウルサンの未来をチェルノブイリと同じ未来を招かない運動を行っている。2011年3月活動開始。その4日後にフクシマ事故を知った。原発止める100万署名運動に取り組む。日本の汚染水に反対する運動は伊大統領に向けて。核廃棄物施設、貯蔵施設に反対する。
地域住民の犠牲を止めたい。ウルサンで作られた電気はソウルで使用。
午前中の分科会からも学び、韓国は日本と同じ状況と分かった。寿命延長の問題は韓国も同じ事になる危険性があり、とても心配。
福島現地から 佐藤晴夫さん
楢葉町出身。福島事故当時の体験を語られた。10余年逃げ惑う生活を送って来た。家族、夫婦の危機も経験し、マスク生活も、12年半も「避難民だな」と言われ続けてきた。現在は、山を歩き、除染を行う仕事もしている、福島は7割が森林、汚染されたまま、山菜・キノコはまだ食べられない。森林はこれから風力発電に、大きく山が伐採される、山と海の循環が今後どうなるのか?「福島事故から暮らしと命を守る会」を立ち上げた。今後長い闘いになります。ご協力をお願いします。
「守る会」アドバイザーの振津さん 追加の発言
福島事故はあってはならない事故、事故被害者に国の責任で「健康手帳の交付を求める」運動を進めている。2028年には、医療費の支援がなくなる。被ばくによる健康影響が出ないということか?広島や長崎と同様に健康補償を求めていく。この9月(2023.9)には政府交渉を行う。併せて汚染水の海洋放出は絶対にさせてはならない。皆さんと一緒に力を合わせて闘っていきたい。
ヒバク反対キャンペーンの建部さん
原発推進50数年で65万人もの被ばく労働者が生み出された。原発は人権無視の発電方法です。政府が発がんの危険を認めている100ミリシーベルト以上の被ばく労働者だけでも1万人規模です。労災補償のハードルを取り払う課題、健康管理手帳交付の課題、被ばく線量基準引き下げの課題などが山積している。
被ばく労働者は福島事故の後、各原発の重大事故時の被ばく要員とされている。再稼働反対と結んで、被ばく労働者の安全・健康・生命を守る課題に具体的に取り組んでいきたい。
被ばく労働者の現状と課題に関心を持っていただきたい。
若い参加者からの質問や思い
①茨城県から
「汚染水の海洋放出に対して、最近の報道に違和感を覚える。僕としては、現地の人に申し訳ないという思い、迷惑をかけているという思いだ。」
②福岡県から
率直に知りたいという思いで参加した。「私の家族は未だに東北の農産物や魚は嫌だという。でも私は悲しい気持ちになる。質問ですが福島の方々にとって生産するものへの不買運動もあったが、それに対してどの様な思いだったのですか?」
③上記の回答としての関連で福島から発言
最近の汚染水に関する政府、東電からの説明は汚染水の海洋放出ありきの回答だ。被害があれば補償します。金を払って解決しようとする。生産者を守るという説明はしない。昔は意見を聞きますだったが、今は必要だから理解して下さいというもの。政府、東電のごまかしに対して、緩やかな形だがきちんと被害者の声を聴け、いろんな人にわかる様に説明させるようにしている。
④質問:韓国の汚染水反対運動の内容を具体的に教えてほしい。
780の団体が抗議して総理官邸前で抗議行動した。8月11日には全国的な結集で反対運動が予定されている。また韓国から東京まで一人で抗議行動をした人がいる。
⑤この抗議行動に連帯して広島でも支援活動が行われた。