原発被ばく労災の増加、14%に過ぎない固形がんの労災認定率

増加する原発労働者の被ばく労災申請・認定
 原発や医療分野などで、放射線被ばくによる労災補償認定は常態化しています。
 原発被ばく労働者の放射線被ばく障害による労災認定は、2024年3月までで計31件(臨界事故の急性放射線障害3名含む)で。発生頻度が増加傾向を示しています。

労災認定の推移と労災認定の累計(1970~2023年度)

がんの種類認定件数
白血病13
真性赤血球増加症1
多発性骨髄腫2
悪性リンパ腫6
甲状腺がん2
肺がん2
咽頭がん2
28


固形がんの支給決定率は極めて低く、申請の14%に過ぎない
 被ばく労働者の電離放射線疾病による労災申請は、福島第一原発害事故の少し前から固形がんの労災申請がされるようになり、10年余りで白血病と類縁疾病よりも多数を占め、2022年度末累計で36件、申請総数の61%です。

厚労省が公表している労災補償状況(2008~2022年度末)
がんの種類労災補償申請件数支給決定件数申請に対する支給決定率
固形がん36件(申請の61%)5件14%
固形がん以外23件(申請の39%)14件61%
全体59件19件32%
 白血病とその類縁疾患に比べ、固形がんの労災認定率が非常に低いことが分かります。
 その最大の原因は「100ミリシーベルト以上で固形がんの発症と線量の関係が認められる」とする厚生労働省の「当面の労災補償の考え方」です。
 <次に続く>

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