厚労省、「当面の腎臓がんの労災補償の考え方」を公表
厚労省は2022年12月23日、労災申請のあった腎臓がんについて、業務上外の検討における医学的知見を公表し、「当面の労災補償の考え方」を示しました。
厚労省HP 腎臓がんと放射線被ばくに関する医学的知見を公表について
腎臓がんについて、
原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)が医学文献の部位別のレビューをまとめた「2006 年報告書」と、2006 年以降の医学文献を中心にレビューを行った。
1 被ばく線量について
(1) 腎臓がんに関する個別文献では、腎臓がんの発生が統計学的に有意に増加する最小被ばく線量について記載された文献はなかった。
(2) 腎臓がんを含む全固形がん※を対象とした UNSCEAR などの知見では、被ばく線量が 100 から 200mSv以上において統計学的に有意なリスクの上昇が認められ、がんリスクの推定に用いる疫学的研究方法はおよそ 100mSv までの線量範囲でのがんのリスクを直接明らかにする力を持たないとされている。
※ 胃がん、大腸がんなどのように、塊を作るがんの総称。固形がんではないものとして、白血病などの血液のがんがある。
2 潜伏期間について
(1) 腎臓がんに関する個別文献では、腎臓がんの最小潜伏期間について記載されたものはなかった。
(2) UNSCEAR などの知見では、全固形がんの最小潜伏期間について、5年から 10 年としている。
3 放射線被ばく以外のリスク要因
腎臓がんには、放線被ばく以外に、喫煙、肥満、高血圧、および後天性多発性嚢胞腎疾患がリスク要因とされている。
として、
労災補償は被ばく線量100mSv以上に制限しています。