厚労省、「脳腫瘍の労災補償の考え方」を公表
厚労省は2020年3月19日、労災申請のあった脳腫瘍についての業務上外の検討における医学的知見を公表し、「当面の労災補償の考え方」を示しました。
厚労省HP 脳腫瘍と放射線との医学的知見を公表します
資料1 検討会報告書の概要等
資料2 脳腫瘍と放射線被ばくに関する医学的知見について(報告書)
厚労省は、脳腫瘍については、
・UNSCEAR2006 年報告書では、脳および中枢神経系の腫瘍の罹患・死亡が統計学的に有意に増加する最小被ばく線量についての記載はない。
・個別文献では、放射線治療患者及びチェルノブイリ除染作業員に放射線被ばくと脳腫瘍発生の関連性を示唆するものがみられたものの、最小被ばく線量を示す知見は得られなかった。
・脳腫瘍を含む全固形がんを対象とした UNSCEAR 等の知見では、被ばく線量が 100 から 200mSv 以上において統計的に有意なリスクの上昇は認められるものの、がんリスクの推定に用いる疫学的研究方法はおよそ、100mSv までの線量範囲でのがんのリスクを直接明らかにする力を持たないとされている。
として、100mSv以下の線量での被ばくと脳腫瘍の因果関係を認めていません。