2018年5月、米国放射線防護委員会(NCRP)は「最近の疫学研究の直線しきい線量なしモデルと放射線防護への示唆」(NCRP Commentary No.27)を出版しました。
内容は、主に10年以内に行われた、原爆被爆者疫学調査と低線量被ばく集団の疫学調査28件を、疫学的方法、線量測定、統計的アプローチについてそれぞれ検討し、疫学研究が「閾値なし直線モデル」をどの程度支持するかを評価したものです。
表1に示すように、29件中20件(69%)が「支持」で、その内、強い支持が5件、中程度の支持が4件、弱い~中程度が11件という結果になりました。
米国放射線防護委員会は最近の大規模疫学研究は「閾値なし直線モデルを支持」と評価しました。
しかし、「閾値なし直線モデル」は仮説であるとの姿勢を崩していません。
表1 原爆被爆者疫学調査と低線量被ばく集団の疫学調査28件(計29件)の検討結果
「強く支持」と評価された5つの調査で示された「被ばく線量とがん発生の関係」
図1 原爆被爆者疫学調査14報によるがん・白血病死の 「過剰相対リスクと被ばく線量の関係」
図2 米、英、仏3か国原子力施設労働者の疫学調査(INWORKS)による「相対リスクと被ばく線量の関係」
図3 マサチューセッツ州結核透視患者と原爆被爆者の「乳がんと被ばく線量の関係」
図4 胎内又は若年の原爆被爆者の「がんと被ばく線量の関係」
図5 9コホートのプール解析による「小児甲状腺がんと被ばく線量の関係」